「何回言っても片付けない」「宿題をなかなか始めない」。
毎日注意して、気づけば夜には声がかれている…そんなパパ・ママは多いですよね。
この記事は、注意してもなかなか動かない2〜12歳の子どもに悩むパパ・ママに向けて書きました。
3歳の子を育てるパパの目線で、行動が変わる声かけ5つ・やりがちなNG3つ・そのまま使える場面別の声かけ6つ・年齢別の早見表・よくある質問7つをまとめています。
先に結論を言うと、子どもは「やる気がない」のではありません。
声かけの向け先を「できていないこと」から「できたこと」に変えるだけで、子どもは自分から動き始めます。
カギになる考え方は、過程を見るほめ方とセットで使うと、さらに効果が上がります。
この記事は「個性・声かけ三部作」の【声かけ編】です。
個性・声かけ三部作で「やる気・長所・個性」の3つを育てる
- 【声かけ編】この記事:子どものやる気を引き出す5つの声かけ
- 【長所編】子どもの長所を伸ばす5つの声かけ
- 【個性編】子どもの個性を伸ばす5つのサポート
なぜ「注意」では行動が変わらないの?叱るほど逆効果になる理由
子どもの行動を変えるカギは、とてもシンプルな決まりにあります。
それは、「親が注目した行動は増えて、注目しない行動は減る」ということです。
実は、叱る声や注意する声も、子どもにとっては「見てもらえた」のひとつです。
だから困ったことに、叱れば叱るほど、困った行動が増えてしまうことがあります。
反対に、よい行動に目を向けると、その行動は自然と増えていきます。
もうひとつ大事なことがあります。
それは、親が子どもに向ける「期待のまなざし」が、子どもの行動を変えるということです。
親が「この子はできる」と信じて接すると、子どもは本当にできるようになっていきます。
反対に「どうせまたやらない」と思っていると、その通りになりやすいのです。
つまり、親の見方がそのまま、子どもの毎日になっていくということですね。
いちばん大事なこと:「注目した行動は増える」と「期待がその子をつくる」の2つを使えば、注意を減らすほど子どもは自分から動くようになります。コツは3秒以内・具体的に・落ち着いた声で・目を見て・よい行動は3倍ほめるの5つだけです。
親がやりがちな3つのNG(やってはいけない声かけ)
NG1. 困った行動にだけ反応する
コップを出しっぱなしにしたら大声で注意、歯みがきしないとお説教。
困った行動にだけ時間と声を使うと、さきほどの決まりどおり困った行動のほうが増えてしまいます。
子どもは知らないうちに「これをするとパパやママが反応してくれる」と覚えてしまうのです。
反対に、できたときに親が何も言わないと「よいことをしても意味がない」と覚えてしまいます。
怒らないしつけ術と組み合わせて、声をかける場面を逆にしてみましょう。
NG2. 「やって当たり前」と素通りする
「コップを片付けるのは当たり前」「歯みがきするのは普通」と、できたことを素通りするのはもったいないです。
子どもにとって、認めてもらえることはいちばんのエネルギーです。
これがゼロだと、続けようという気持ちが消えてしまいます。
「当たり前」のハードルを下げて、1日3回は「ありがとう、助かった」を口に出してみてください。
くわしくは「ありがとう・ごめんね」の力もチェックしてみてくださいね。
NG3. 「すごい」だけで終わる
「すごい」「えらい」だけでは、何がよかったのか子どもに伝わりません。
「何を・どうして・誰のために」の3つをセットで伝えましょう。
たとえば「シンクにコップを運んでくれたね、洗いやすくて助かるよ」という言い方です。
これだけで、子どもの記憶への残り方がぐっと変わります。
子どもが伸びる言葉がけもあわせて読むと、声かけの引き出しが増えますよ。
子どものやる気を引き出す5つの声かけ
1. 「できた!」の瞬間に3秒以内で声をかける
「あとでほめよう」では、残念ながら効果がうすくなります。
行動してから3秒以内に反応するのが、いちばんのコツです。
できた直後に声をかけると、「これをすると気持ちいい」と子どもの心と体に残ります。
コップをシンクに置いた瞬間に「ありがとう!」。
宿題を始めた瞬間に「自分から始めたね!」。
家事の途中でも、3秒だけ手を止めて反応する習慣をつけてみてください。
2. 「具体的に・短く・落ち着いた声で」伝える
「シンクにコップを運んでくれたね、洗いやすくて助かる」のように、何をして、どんないいことがあったかをセットで伝えます。
長いほめ言葉より、10秒以内・ひとつの行動・ひとつのありがとうのほうが心に残ります。
さらに、落ち着いた低めの声がポイントです。
はしゃいだ高い声より、落ち着いた声のほうが「本気で言ってくれている」と子どもに伝わります。
これはポジティブしつけ術のいちばん大事なところでもあります。
3. 「ありがとう」「助かった」で家族の役に立った実感を
「えらい」より「ありがとう、助かったよ」のほうが、子どもの心に強く残ります。
「自分のしたことが家族の役に立った」という実感が、自分からやる気のもとになるからです。
心理学では、人がやる気になるには「できる」「つながっている」「自分で決めた」の3つが大切だといわれています。
「ありがとう」は、このうち「できる」と「つながっている」の2つを一度に育ててくれます。
家族ルールを作って、ありがとうが毎日の当たり前になる仕組みにしてみましょう。
4. 「目を見て・笑顔で」伝える
言葉だけでなく、表情と目線がそろって初めて、子どもにしっかり届きます。
スマホを見ながらの「ありがとう」は、ほとんど伝わっていません。
10秒だけ、子どもの方をしっかり見るだけで、声かけの効果はぐんと上がります。
親のまなざしが「あなたはできる」という期待を運ぶと、子どもはその期待にこたえようとします。
目線・笑顔・言葉の3つで、毎日の期待を伝えていきましょう。
5. 「小さな困りごとはスルー、よい行動は3倍ほめる」
ちょっとした困った行動は、あえて気づかないふりをします。
そのかわり、よい行動は3倍ほめるのが、子どもの行動を変える基本の考え方です。
すると、注目してほしい子どもは「よいことをして見てもらおう」と作戦を変えていきます。
注意する回数が減るほど、子どもの行動はよくなるのは、ふしぎなようで本当です。
3秒ルールと組み合わせると、さらに効果が上がります。
場面別「声かけ」6つ(そのまま使えます)
- お片付け:「おもちゃを片付けてくれたね、お部屋がスッキリして気持ちいいね」
- 手洗い:「自分で手を洗ってきたね、ありがとう。体を大事にしてくれてうれしいな」
- 宿題:「時間どおりに始められたね。おかげで夜ゆっくりできるね」
- 食事(苦手な野菜):「苦手な野菜、ひと口食べてみたね。挑戦したのがすごいよ」
- きょうだいへのやさしさ:「弟におもちゃを貸してくれたね、やさしいお兄ちゃんだね」
- 朝の支度:「自分で着がえたんだね。もう自分でできるようになったね」
どれも「何を・どうして・誰のためによかったか」の3つがそろっています。
これを1日3回口に出すだけで、1週間ほどで子どもが自分から動く場面が増えてきます。
年齢別 声かけ早見表(2〜12歳/関わり方/期待できる変化)
| 年齢段階 | 意識すべき声かけの軸 | 親の関わり | 具体例(コピペ可) | 期待される変化 |
|---|---|---|---|---|
| 2-3歳 | 「できた!」の瞬間を全身で喜ぶ | 表情+ジェスチャー+短い言葉 | 「やったー!できたね!」(大げさに反応) | 「やると楽しい」を体で覚える |
| 4-5歳 | 「何がよかったか」を言葉にする | 何を・どう・なぜを言葉に | 「靴並べてくれたね、玄関きれい」 | 「何がよかったか」が分かり始める |
| 小1-2 | 「ありがとう・助かった」を中心に | 家族の役に立ったと伝える | 「洗濯物畳んでくれて助かった」 | 家族の一員としての自覚が育つ |
| 小3-4 | 結果より「がんばった道のり」を見る | 結果より努力に注目 | 「最後まで諦めずやってたね」 | 挑戦が怖くなくなる |
| 小5-6 | 「信じているよ」を言葉にする | 判断を任せる声かけ | 「自分で決めたんだね、その判断いいね」 | 自分で決める力が育つ |
| 中学生 | ひとりの大人として接する | 結果より姿勢を評価 | 「自分のペースで進めてるんだね」 | 自分で自分を動かす力が育つ |
早見表は冷蔵庫や机の前にはっておくと、つい注意したくなったときに立ち止まれます。
朝の自立編や段取り編の早見表とあわせて使うと、子どもの自立がさらに進みますよ。
よくある質問(FAQ7問)
Q1. よい行動が見つからない日もあります
「呼んだら返事をした」「朝起きてきた」「ありがとうと言えた」など、当たり前のことから認めていきましょう。
ほめるハードルを下げるのがコツです。
1日3回でいいので、見つけたら必ず声に出してみてください。
慣れてくると、よいところを見つける目が育って、自然と見つかるようになります。
Q2. 「ありがとう」を言いすぎると、効き目がうすれませんか?
うすれません。
中身が具体的なら、何回言っても大丈夫です。
「ありがとう」だけをくり返すとうすれますが、「○○してくれてありがとう」と毎回中身がちがえば、子どもはあきません。
むしろ、ありがとうに慣れた子は、外でも自然に「ありがとう」が言える子に育ちます。
Q3. 困った行動を本当にスルーしていいの?
命にかかわることや、人を傷つける行動はすぐに止めてください。
スルーしていいのは「小さな困りごと」だけです(コップの出しっぱなし・テレビの見すぎ・呼んでもすぐ来ないなど)。
大事なことを3つだけ守らせて、ほかはゆるく、が基本です。
家庭ルールを機能させる4つのコツを参考に、ゆずれないことを3つにしぼってみましょう。
Q4. パートナーが注意ばかりで、家の空気が悪くなります
「注意をやめて」とお願いするより、「いいところ見つけゲーム」として一緒に取り組むのがおすすめです。
「今日は3回ありがとうを言おう」「子どものいいところを見つけたら教え合おう」など、前向きな共通の目標にしてみてください。
3〜6か月ほどで、家の空気が変わってきます。
Q5. きょうだいがいて、1人ずつに目が届きません
全員に同じだけではなく、順番に3秒ずつがうまくいきます。
今日は上の子に3秒しっかり、明日は下の子に3秒しっかり、という形です。
10分のうすい時間より、3秒の濃い時間のほうが子どもの心に残ります。
「やりたい!」を応援する声かけもあわせて読むと、きょうだいへの接し方のヒントが増えます。
Q6. 仕事で疲れて、声をかける元気がない日は?
その日は、1回だけ認めればOKです。
「お風呂に入れたね、おやすみ」これだけでも十分です。
声かけは、上手さより回数のほうが大事です。
週5回の30秒の声かけは、週1回30分のお説教よりずっと効きます。
親自身のセルフケアとセットで考えると、無理なく続けられます。
Q7. 「期待すると伸びる」って本当なの?
有名な実験で確かめられています。
ある小学校で、先生に「この子たちはこれから伸びます」と伝えました。
実はくじで選んだだけの子たちでしたが、その子たちの成績が本当に伸びたという研究があります。
家庭でも同じで、「この子はできる」というまなざしを向け続けると、子どもはその期待にこたえて変わっていきます。
まなざしは言葉にしなくても伝わるので、まずは親の心の中の「見方」を変えることから始めてみてください。
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まとめ|今日から始める1つだけ(NGを避けて5つの声かけを)
まず避けたい3つのNG
- 困った行動にだけ反応する(よい行動が消えてしまう)
- 「やって当たり前」と素通りする(認めてもらえない)
- 「すごい」だけで終わる(何がよかったか伝わらない)
声かけ5つのコツ
- 1. 3秒以内に声をかける
- 2. 具体的に・短く・落ち着いた声で
- 3. 「ありがとう・助かった」で家族の役に立った実感を
- 4. 目を見て・笑顔で(期待は表情で伝わる)
- 5. 小さな困りごとはスルー、よい行動は3倍ほめる
今日からまず1つ:子どもが何かよいことをした瞬間に「ありがとう、助かった」を1回だけ言ってみてください。3秒以内に、目を見て、落ち着いた声で。これだけで1週間後には自分から動く場面が増え、1か月ほどで「自分から動く子」に変わっていきます。叱り続けるより、ずっとラクで効果的ですよ。
声かけは、子育ての中でいちばんお金も手間もかからない、効き目の大きい方法です。
道具もいらず、3秒で始められます。
それだけで子どもの行動が変わり、親のイライラも減っていきます。
『長所を伸ばす』『個性を伸ばす』とあわせて読むと、子どもの自信がより深く育ちます。
この記事(声かけ編)→長所編→個性編の順に読むのがおすすめです。
今日の3秒から、あなたの家族の毎日が変わりますように。
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