「予防接種の紙が何枚も届いたけど、いつ・何から受ければいいの?」——赤ちゃんが生まれて最初にとまどうのが、この0歳の予防接種スケジュールではないでしょうか。生後2か月からいきなり数種類が始まり、種類も回数も多くて、ママもパパも頭がいっぱいになりますよね。でも大丈夫。順番と考え方さえつかめば、ちゃんと迷わず進められます。この記事では、赤ちゃん(0歳)の予防接種の順番・月齢別の受け方・後悔しないための5つの準備を、むずかしい言葉をできるだけ使わずにまとめました。「なぜ小さいうちに打つの?」という根っこの理由から、当日の付き添いのコツまで、これ1本でわかります。
予防接種は『乳児期→幼児期→学童期』の3つの時期でつながっています
- 【乳児期編】本記事:0歳で受ける予防接種の順番と5つの準備
- 【幼児期編】1歳〜就学前の予防接種と親のサポート法
- 【学童期編】小学生〜中学生の受け忘れやすい予防接種
※この記事は2026年7月時点の情報をもとにしています。予防接種の種類・受ける年齢・回数は、国の方針で変わることがあります。実際に受けるときは、お住まいの市区町村から届く予防接種のお知らせ・母子健康手帳・かかりつけの小児科で必ず最新の内容をご確認ください。
なぜ0歳のうちに予防接種を受けるの?(親が納得できる3つの理由)
予防接種は「受けなさいと言われたから受ける」ものだと思うと、どうしても気が重くなります。でも心理学には、人が予防行動を取るときの気持ちを説明した健康信念モデル(ローゼンストックとベッカーという研究者が整理した考え方)というものがあります。むずかしく聞こえますが、中身はとてもシンプルで、人は次の3つがそろったときに「よし、受けよう」と思える、という話です。
①「この病気は、うちの子にも起こりうる」と感じられること。②「かかったら重い・こわい」とわかること。そして③「打てば防げて、その手間や心配より守れる価値のほうが大きい」と思えること。この3つがつながったとき、はじめて予防接種は「やらされること」から「わが子を守るためにやること」に変わります。
赤ちゃんの予防接種が生後2か月という早い時期から始まるのは、ママからもらった「病気とたたかう力(免疫)」が生後数か月で少しずつ弱まり、赤ちゃん自身にはまだ十分な力がないからです。このいちばん無防備な時期を、ワクチンで先回りして守る——これは、病気になる前に手を打つ「一次予防(病気の芽をそもそも作らせない予防)」という医学の基本の考え方でもあります。
核心:0歳の予防接種は「かかってから治す」のではなく「かかる前に守る」ための先回り。生後2か月スタート・同時接種でまとめる・母子手帳で記録するの3つを押さえれば、多い種類も迷わず進められます。
赤ちゃんの予防接種でやりがちな3つのNG
NG1:「かわいそうだから」と先延ばしにしてしまう
小さな体に何本も注射をするのは、見ているだけでつらいもの。「もう少し大きくなってから…」と思う気持ちは自然です。でも予防接種には受けるのに適した時期(月齢)が決まっていて、遅らせるほど、その間に病気にかかるリスクが増えてしまいます。「かわいそう」の正体は今の痛みですが、守りたいのはこの先の重い病気。先延ばしは、いちばん守りたい時期を無防備にしてしまうことにもなります。夜の眠りが不安定な時期でもあるので、赤ちゃんの夜泣き対応・月齢別ガイドとあわせて、体調のいい日を選んで進めましょう。
NG2:同時接種を「かわいそう・こわい」と避けてしまう
同時接種(1日に何本かまとめて打つこと)は、日本小児科学会も安全とみとめている標準的な受け方です。1本ずつに分けると通院回数が何倍にもなり、そのたびに待合室で別の病気をもらうリスクや、スケジュールがずれて受け忘れる原因になります。まとめて打つのは「効率のため」ではなく、いちばん早く・確実に赤ちゃんを守るため。こわく感じるのは自然ですが、迷ったらかかりつけ医に「うちの子は今日、何本まで大丈夫ですか?」と聞いてみてください。
NG3:ママひとりに任せきりにしてしまう
予防接種のスケジュール管理・予約・付き添いが、いつのまにかママの「見えない仕事」になっている家庭はとても多いです。種類が多く間隔の計算も必要なこの時期は、パパが「予約係」「当日の付き添い係」として関わるだけで、ママの負担がぐっと軽くなります。産後の家庭の回し方は産後の家族サポート準備ガイドも参考に。予防接種は夫婦のチーム戦で乗り切りましょう。
後悔しない!赤ちゃんの予防接種5つの準備
1. 生後2か月の「予防接種デビュー」を最優先で予約する
赤ちゃんの予防接種は生後2か月の誕生日が来たらすぐがスタートの合図。この日からB型肝炎・ロタウイルス・小児用肺炎球菌・5種混合(2024年に始まった、ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・Hibを1本にまとめたワクチン)が受けられるようになります。人気の小児科は予約が埋まりやすいので、母子手帳をもらった産後すぐに「生後2か月で予約したい」と電話を1本入れておくと安心です。最初の一歩さえ切ればあとは流れに乗れます。
2. かかりつけの小児科を1つ決めておく
予防接種は同じ病院で続けて受けると、これまでの記録が残り、次に何を打つかを一緒に管理してもらえるので迷いません。「家から近い」「予防接種の時間枠がある」「先生に質問しやすい」を目安に、生まれる前から目星をつけておきましょう。健診も同じ病院にすると、成長曲線と定期健診の見守りガイドにあるように、体重・発達・接種をまとめて相談できて一石二鳥です。
3. 母子健康手帳を「接種の司令塔」として使う
何を・いつ・どこに打ったかは、すべて母子健康手帳の予防接種のページに記録されます。ここが赤ちゃんの予防接種の「司令塔」。受けた日にその場でシールやハンコを貼ってもらい、次回の予定も鉛筆で書き込んでおくと、パパが付き添う日もひと目でわかります。手帳を持ち歩くのが不安なら、ページをスマホで写真に撮っておくと、急な受診でも役立ちます。
4. 接種当日の体調チェックと持ち物をルール化する
予防接種は熱がなく機嫌のいい日が原則。当日の朝は必ず体温を測り、37.5度以上や食欲がないときは無理せず予約を取り直します。持ち物は「母子手帳・予診票(記入済み)・保険証・乳幼児医療証・着替え・授乳グッズ」をひとつのポーチにまとめて固定しておくと、毎回の準備がラクになります。予診票は待合室で慌てないよう、前夜に記入しておくのがコツです。
5. 接種後30分〜当日夜の「見守り」を決めておく
打ったあとは、まれに体調が変わることがあるため、接種後30分ほどは病院や近くで様子を見るのが基本です。帰宅後も、打った所の腫れ・熱・機嫌をやさしく見守りましょう。多くは数日でおさまりますが、ぐったりして元気がない・高い熱が続くなど「いつもと違う」と感じたら、遠慮なく病院に連絡を。心配を抱え込まず「気になったら聞く」を夫婦の合言葉にしておくと安心です。赤ちゃんの発達を遊びで支える関わりは0〜3歳の脳育ガイドもどうぞ。
月齢別・赤ちゃんの予防接種 早見表(0歳のスケジュール目安)
下の表は、2026年7月時点の一般的なスケジュールの目安です。ワクチンの種類や回数は変わることがあるので、実際の予定は市区町村のお知らせ・かかりつけ医で必ず確認してください。
| 月齢の目安 | 受けられるようになる主な予防接種 | 回数の目安 | パパ・ママのひとこと準備 |
|---|---|---|---|
| 生後2か月〜 | B型肝炎/ロタウイルス/小児用肺炎球菌/5種混合 | それぞれ1回目 | 予防接種デビュー。同時接種でまとめて |
| 生後3か月〜 | 小児用肺炎球菌/5種混合/B型肝炎/ロタの2回目 | 2回目 | 前回から決められた間をあけて |
| 生後4〜5か月 | 小児用肺炎球菌/5種混合の3回目 | 3回目 | 初回シリーズがそろってくる |
| 生後5〜8か月 | BCG(結核)/B型肝炎3回目 | 各1回 | スタンプ型のBCGはこの時期が標準 |
| 1歳の誕生日〜 | MR(麻しん風しん)1回目/水ぼうそう/おたふくかぜ(希望者)/肺炎球菌・5種混合の追加 | 追加・1回目 | 1歳はワクチンの大きな節目。次は幼児期編へ |
※B型肝炎・ロタ・肺炎球菌・5種混合は複数回で1セット。ロタは口から飲むワクチンで、種類により2回か3回です。間隔や回数は種類・月齢で異なります。
赤ちゃんの予防接種 よくある質問(FAQ)
Q1. 同時に何本も打って、体に負担はないですか?
同時接種は世界中で行われている安全な方法で、体への負担が何倍にもなることはないとされています。むしろ通院回数が減り、早く守れるメリットが大きいと考えられています。心配なときはその日の本数をかかりつけ医に相談しましょう。
Q2. スケジュールが少しずれてしまいました。やり直しですか?
多くの場合最初からやり直しにはならず、続きから受けられます。風邪や都合でずれるのはよくあること。あわてず、かかりつけ医に「どこから再開すればいいか」を聞けば、残りの計画を立て直してくれます。
Q3. 定期接種と任意接種は何が違うの?
定期接種は国と自治体がすすめる、原則無料で受けられる予防接種です。任意接種は希望して受けるもの(費用は自己負担、自治体の補助がある場合も)。おたふくかぜなどが任意にあたります。「無料じゃないから受けなくていい」という意味ではなく、大切さは同じです。迷ったら医師に相談を。
Q4. 打ったあとに熱が出ました。どうすれば?
接種後に軽い熱や打った所の腫れが出るのは、体が病気とたたかう力を作っているサインで、多くは数日でおさまります。水分をとり、機嫌よく過ごせるなら様子見でOK。ただし高い熱が続く・ぐったり・けいれんなど「いつもと違う」ときは、すぐ病院へ連絡してください。
Q5. 里帰り中や引っ越しでも受けられますか?
受けられますが、住民票のある市区町村以外だと手続きが必要なことがあります。里帰り先で受けたいときは、事前に元の自治体に「里帰り先で受けたい」と伝え、必要な書類をもらっておきましょう。引っ越し後も母子手帳の記録があれば続きから受けられます。
Q6. パパだけで連れて行っても大丈夫?
もちろん大丈夫です。母子手帳・記入済みの予診票・保険証・医療証を持って行けば、パパひとりでも受けられます。事前に予診票をママと一緒に書いておくと、当日スムーズ。付き添いをパパが担うだけで、ママの負担が大きく減ります。
Q7. そもそも予防接種は受けなきゃいけないの?
予防接種は義務ではなく、最終的には家庭の判断です。ただ、ここで防ごうとしている病気は、かかると赤ちゃんの命や将来に関わる重いものが中心です。不安があるのは自然なこと。ネットの断片的な情報だけで決めず、かかりつけ医に納得いくまで質問してから判断するのがいちばん後悔しない方法です。
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まとめ:赤ちゃんの予防接種は「先回りの愛情」
まず避けたい3つのNG
- 「かわいそう」で先延ばしにする
- 同時接種をこわがって1本ずつにする
- スケジュール管理をママひとりに任せる
後悔しない5つの準備
- 生後2か月の「デビュー」を最優先で予約
- かかりつけの小児科を1つ決める
- 母子手帳を「接種の司令塔」に
- 当日の体調チェックと持ち物をルール化
- 接種後30分〜当日夜の見守りを決める
今日からまず1つ:母子手帳の予防接種ページを開いて、生後2か月で受けるワクチンに丸をつけ、小児科に「予約したい」と電話を1本入れてみましょう。最初の一歩さえ切れば、あとは流れに乗るだけです。
赤ちゃんの予防接種は、痛くて泣かせてしまう、親にとってもつらい時間です。でもそれは、まだ言葉も持たないわが子を、見えない病気から先回りして守る「愛情のかたち」。1本1本が、この子の元気な未来へのプレゼントです。0歳を乗り越えたら、次は幼児期編(1歳〜就学前)、そして学童期編(小学生〜中学生)へと続きます。3つの時期をつうじて、親子で無理なく予防接種と付き合っていきましょう。
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