「お友達をかんじゃった」「妹をたたいた」——保育園のお迎えで先生からそう聞くと、胸がドキッとしますよね。
わが子が誰かをかんだり、たたいたりすると、親としては本当に落ちこみます。
「うちの子、乱暴なのかな」「育て方がまちがっていたのかな」と、自分を責めてしまう方も多いはずです。
でも、どうか安心してください。
小さな子どものかみつきや他害(お友達をたたく・けるなどの行動)は、成長の途中でとてもよく見られることです。
けっして、あなたの育て方が悪いわけでも、その子の心が乱暴なわけでもありません。
この記事では、子どものかみつき・お友達を叩く行動がなぜ起きるのかを年齢別にやさしく説明します。
そのうえで、やってはいけない対応(NG)と、今日から使える対応のコツ5つをお伝えします。
さらに、年齢別の早見表やそのまま使える声かけ例まで、まとめてご紹介します。
読み終わるころには、「そういうことだったんだ」と少し肩の力が抜けて、明日からのわが子への向き合い方が見えてくるはずです。
📚 あわせて読みたい「子どもの気持ちと行動」シリーズ
かみつき・他害は、子どもの気持ちの育ちと深くつながっています。次の記事も参考にしてください。
・かんしゃく・イヤイヤへの対応ガイド|年齢別の理由と落ち着かせ方
・きょうだいげんかの仲裁ガイド|親のNGと上手な関わり方
・やんちゃな男の子の育て方|元気を伸ばす5つの接し方
言葉より先に手が出るのは「伝えたい気持ち」があふれるから
まず、いちばん大切なことをお伝えします。
小さな子どもがかんだり、たたいたりするのは、「相手を傷つけたい」からではありません。
じつは、その反対なのです。
「これがほしい」「イヤだ」「こっちを見て」——そんな気持ちがあふれているのに、まだ言葉でうまく伝えられない。
その、行き場をなくした気持ちが、かみつきやたたく行動になって出てしまうのです。
言葉がまだ育っていない時期の子どもにとって、体の動きは大切な「話す手段」の一つです。
これは発達心理学では、言葉が育つ前のコミュニケーション(前言語期のやりとり)と呼ばれています。
つまり、かみつきや他害は「気持ちを伝えたい」という、子どもなりの必死のサインなのです。
💛 ここだけは覚えておきたい大切なこと
かみつき・他害は「乱暴な性格」ではなく、「伝えたい気持ちが、言葉より先に体で出てしまった」状態です。
だから、まずやるべきなのは「叱ってやめさせる」ことより、「この子は何を伝えたかったんだろう?」と気持ちをくみ取ること。ここがすべての出発点になります。
気持ちにブレーキをかける力は、これからゆっくり育つ
もう一つ、知っておいてほしいことがあります。
大人は、イラッとしても「ここでたたいたらダメだ」と、自分の気持ちにブレーキをかけられます。
でも、小さな子どもにはまだ、このブレーキの力が十分に育っていません。
この「気持ちをがまんする力」は、専門的には自己抑制と呼ばれます。
つまり、自分をコントロールする力のことです。
この力は、だいたい3歳ごろから6歳ごろにかけて、ゆっくり育っていきます。
だから、2歳の子が手を出してしまうのは、当たり前とも言えることなのです。
「何度言ってもやめない」のは、わがままだからではありません。
まだ、がまんする力が育つ途中だから、と考えてあげてください。
年齢別|かみつき・他害の理由と対応 早見表
かみついたり、たたいたりする理由は、年齢によって少しずつ変わります。
まずは、お子さんの年齢に近いところを見てみてください。
「なぜ今この子は手が出るのか」が分かると、対応がぐっと楽になります。
| 年齢 | よくある理由 | 親の対応のポイント | かける言葉の例 |
|---|---|---|---|
| 0〜1歳 | 歯がむずがゆい・興味・かむと反応が返るのが楽しい | 短く「痛いよ」と伝えて、かんでよい物にそらす | 「イタイイタイだよ。これをカミカミしようね」 |
| 1〜2歳 | 言葉が追いつかない・おもちゃの取り合い・自分の物を守りたい | 気持ちを言葉にして代わりに伝える | 「これ、使いたかったんだね。かして、って言おうね」 |
| 2〜3歳 | イヤイヤ期・思い通りにならない・気持ちの切り替えが苦手 | まず落ち着かせ、落ち着いてから短く伝える | 「イヤだったね。でも、たたくのはナシだよ」 |
| 3〜4歳 | お友達との関わりが増える・ルール理解の途中・注目してほしい | 相手の気持ちに気づけるよう言葉を添える | 「たたかれたお友達、悲しい顔してるね」 |
| 4〜6歳 | くやしさ・不公平感・言い返せないもどかしさ | 気持ちを聞き、言葉での伝え方を一緒に考える | 「くやしかったんだね。言葉で言うにはどうしたらいいかな?」 |
表を見ると分かるように、年齢が上がるほど、理由は「気持ちの複雑さ」に変わっていきます。
でも、根っこにあるのはいつも同じです。
「伝えたいのに、うまく伝えられない」という、もどかしさなのです。
かみつき・他害が起きやすい場面を知っておこう
かみつきやたたく行動は、じつは起きやすい「場面」があります。
先に知っておくと、心の準備ができて、とっさの対応がしやすくなります。
おもちゃの取り合いになったとき
いちばん多いのが、この場面です。
「これ、ぼくの!」という気持ちが強くなり、言葉より先に手が出てしまいます。
特に、お気に入りのおもちゃほど、守ろうとする気持ちが強くなります。
眠い・おなかがすいている・疲れているとき
体が疲れていると、大人でもイライラしますよね。
子どもはもっと正直です。
眠い、おなかがすいた、というだけで、気持ちがあふれやすくなります。
夕方の「ぐずりタイム」に手が出やすいのは、このためです。
場所や人がいつもと違うとき
はじめての場所や、久しぶりに会う人がいると、子どもは緊張します。
その落ち着かない気持ちが、かみつきやたたく行動になって出ることがあります。
いつもと違う日は、少しだけ多めに見守ってあげてください。
かまってほしい・注目してほしいとき
下の子が生まれたあとなどに、急にかみつきが増えることがあります。
これは「もっと自分を見てほしい」というサインです。
叱るより先に、ぎゅっと抱きしめてあげる時間を増やすと、落ち着くことが多いです。
やってはいけない3つの対応(NG)

よかれと思ってやったことが、じつは逆効果になることがあります。
ここでは、つい親がやってしまいがちなNGを3つお伝えします。
NG1|同じようにかみ返す・たたき返す
「かまれたら痛いって分かるように、かみ返してみた」という声をときどき聞きます。
でも、これは逆効果です。
子どもは「痛いことをされた」という記憶だけが残り、なぜダメなのかは伝わりません。
むしろ「困ったときはかんでいいんだ」と、まちがって学んでしまいます。
NG2|みんなの前で長く叱る
お友達の前で長々と叱ると、子どもは強く恥ずかしい気持ちになります。
その気持ちでいっぱいになると、肝心の「なぜダメか」が頭に入りません。
それどころか、自信をなくしてしまうこともあります。
伝えるときは、短く、その場でさっと。
これが基本です。
NG3|「なんでかむの!」と理由を問いつめる
つい「どうしてかんだの!」と聞きたくなりますよね。
でも、小さな子どもは、自分の気持ちをまだ言葉で説明できません。
問いつめられると、ただ責められていると感じて、心を閉じてしまいます。
理由を聞き出すより、「かしてほしかったんだね」と気持ちを言葉にしてあげるほうが、ずっと伝わります。
今日から使える|かみつき・他害への対応5つのコツ
ここからは、実際にどう対応すればいいかを5つにまとめます。
どれも、今日からすぐに試せることばかりです。
コツ1|まず「行動」を止めて、短く「痛いよ」と伝える
かみついた、たたいた——その瞬間は、まず行動を止めます。
そっと手を押さえて、目を見て「痛いよ」と短く伝えてください。
長い説明はいりません。
「たたくのはナシ」「かむのはイタイ」——このくらいの短さで十分です。
低めの落ち着いた声で伝えると、より心に届きます。
コツ2|子どもの気持ちを、代わりに言葉にする
行動を止めたら、次はその子の気持ちをくみ取ります。
「これ、使いたかったんだね」「イヤだったんだね」と、代わりに言葉にしてあげてください。
すると子どもは「分かってもらえた」と感じて、少し落ち着きます。
この「気持ちを言葉にする」くり返しが、やがて子ども自身が言葉で伝える力になっていきます。
コツ3|正しい伝え方を、その場で教える
気持ちをくみ取ったら、次は「こう言えばよかったね」を教えます。
「かして、って言おうね」「イヤだ、って言えばいいんだよ」と、具体的な言葉を渡してあげてください。
ダメなことを伝えるだけでは、子どもはどうすればいいか分かりません。
「代わりにこうしよう」まで、セットで伝えるのがコツです。
コツ4|たたかれた相手にも気持ちを向ける
3歳ごろからは、相手の気持ちにも目を向けさせてあげましょう。
「たたかれたお友達、悲しい顔してるね」と、そっと伝えます。
これは、相手の気持ちを想像する力(思いやりの芽)を育てる大切なステップです。
責めるのではなく、「気づかせる」つもりで声をかけてください。
コツ5|できたときこそ、しっかりほめる
手を出さずに「かして」と言えた。
イヤな気持ちを言葉で伝えられた。
そんなときは、すかさずほめてあげてください。
「ちゃんと言えたね!」「えらかったね」の一言が、次のがまんする力につながります。
叱るより、できたことを見つけてほめるほうが、じつは何倍も効果があります。
💛 5つのコツをひと言でまとめると
「止める → 気持ちをくむ → 正しい言い方を渡す → 相手に気づく → できたらほめる」。この流れをゆっくりくり返すうちに、少しずつ手が出る回数は減っていきます。あせらなくて大丈夫です。
とっさの場面はこう動く|対応ステップ

実際にかみついた・たたいた、そのときの動き方を順番にまとめました。
あわてないために、頭の片すみに入れておいてください。
ステップ1|まず両者を離す
けがにつながらないよう、まずはそっと二人を離します。
このとき、大きな声を出す必要はありません。
落ち着いて、体をあいだに入れるだけで大丈夫です。
ステップ2|たたかれた子を先にケアする
意外に思うかもしれませんが、まずは傷ついた子から。
「大丈夫?痛かったね」と声をかけ、手当てをします。
手を出した子は、その様子を見て「相手が痛がっている」ことに気づきます。
ステップ3|手を出した子に短く伝える
次に、手を出した子に「たたくのはナシだよ」と短く伝えます。
そして「どうしたかったの?」ではなく、「これがほしかったんだね」と気持ちをくんであげます。
ステップ4|落ち着いたら、いっしょに振り返る
その場が落ち着いてから、ゆっくり振り返ります。
「さっきは、かしてって言えばよかったね」と、次にどうするかを一緒に確認します。
興奮しているうちは、何を言っても届きません。
落ち着いてから、が鉄則です。
年齢別のくわしい向き合い方

ここでは、年齢ごとにもう少しくわしく見ていきます。
お子さんの今の姿と重ねながら読んでみてください。
0〜1歳|かむのは「探る」ことの一つ
この時期のかみつきは、ほとんどが「探検」です。
歯がむずがゆかったり、かむとどうなるか試していたりします。
強く叱る必要はありません。
「イタイよ」と短く伝え、かんでよい歯固めなどにそっとそらしてあげましょう。
1〜2歳|言葉が追いつかないもどかしさ
気持ちはあるのに、言葉がまだ出ない。
この「もどかしさ」が、いちばん手を出しやすい時期です。
だからこそ、親が気持ちを言葉にして代わりに伝えてあげることが、何よりの助けになります。
言葉が育ってくると、自然と手が出る回数は減っていきます。
2〜3歳|イヤイヤ期と重なって激しくなることも
この時期は、イヤイヤ期と重なって、手が出る回数が増えることがあります。
「自分でやりたい」「思い通りにしたい」気持ちが、ぐんと強くなるからです。
まずは落ち着かせ、落ち着いてから短く伝える。
この流れを、根気よくくり返してください。
イヤイヤ期の乗り越え方は、かんしゃく・イヤイヤへの対応ガイドもあわせて読むと安心です。
3〜4歳|お友達との関わりの中で
集団生活が増えると、お友達との間で手が出ることがあります。
この時期は「相手にも気持ちがある」ことを、少しずつ分かり始めます。
「たたかれたら悲しいね」と、相手の気持ちに気づく声かけが効いてきます。
4〜6歳|言葉が育っても手が出るとき
言葉が達者になっても、くやしさが強いと手が出ることがあります。
この年齢では、気持ちをじっくり聞いてあげることが大切です。
「くやしかったんだね、どう言えばよかったかな?」と、一緒に考えてあげてください。
もし、ほかの子と比べて手が出る回数がとても多いと感じるときは、2〜3歳の子との関わり方の記事も参考にしてみてください。
そのまま使える|気持ちを言葉にする声かけ例
「気持ちを言葉にしてあげて」と言われても、とっさには出てこないものです。
そこで、場面別にそのまま使える言葉を集めました。
おもちゃを取り合ったとき
「これで遊びたかったんだね。かして、って言ってみようか」
「順番こだよ。次はあなたの番ね」
イヤなことをされたとき
「イヤだったね。イヤなときは、イヤって言えばいいんだよ」
「たたかなくても、口で言えば分かるよ」
手を出してしまったあと
「痛かったって。ごめんね、しようか」
「次は、かして、って言えるといいね」
上手に言葉で言えたとき
「ちゃんと言えたね!かっこよかったよ」
「手を出さずにがまんできたね。すごいね」
言葉の育ちについては、子どもの言葉を伸ばす声かけの記事もヒントになります。
きょうだいの間で手が出るときの対応
お友達だけでなく、きょうだいの間でも手が出ることはよくあります。
むしろ、いちばん身近なきょうだいだからこそ、遠慮なく手が出やすいのです。
上の子の気持ちを、先に聞いてあげる
つい「お兄ちゃんなんだから」と、上の子を叱ってしまいがちです。
でも、上の子にも言い分があります。
「おもちゃを取られてイヤだったんだね」と、まず気持ちを聞いてあげてください。
先に気持ちを分かってもらえると、上の子は落ち着きを取りもどせます。
どちらが悪いか、を決めつけない
手を出したほうだけを叱ると、その子は「自分ばかり」と感じます。
その不満が、また次の手出しにつながってしまいます。
「どっちも、イヤな気持ちがあったんだね」と、両方の気持ちを受け止めましょう。
一対一の時間を、意識してつくる
下の子が生まれると、上の子はさびしさを感じやすくなります。
一日に少しでいいので、上の子と二人きりの時間をつくってみてください。
「あなたも大切だよ」が伝わると、手が出る回数はぐっと減ります。
かみつき・他害を減らす予防のコツ
起きてからの対応だけでなく、「起きにくくする工夫」も大切です。
日ごろからできる予防のコツをまとめました。
おなか・眠り・生活リズムを整える
おなかがすいた、眠い、という状態は、手が出やすくなる大きな原因です。
ごはんとお昼寝の時間をなるべく一定にするだけで、ぐずりはぐっと減ります。
おもちゃの取り合いを減らす工夫
人気のおもちゃは、同じものを2つ用意しておく。
取り合いになりそうなときは、早めに「順番こ」を提案する。
こうした小さな工夫で、トラブルの芽をつめます。
気持ちを言葉にする練習を、ふだんから
絵本を読みながら「この子、悲しそうだね」と気持ちを言葉にする。
これだけで、子どもは少しずつ「気持ちには名前がある」と学んでいきます。
ふだんのやりとりが、いちばんの練習になります。
スキンシップの時間を増やす
ぎゅっと抱きしめる、ひざにのせて絵本を読む。
こうした満たされた時間が多いほど、子どもの心は安定します。
「かまってほしい」からくる手出しは、これでずいぶん減ります。
「危ない場面」を先読みして、そっと防ぐ
おもちゃの取り合いになりそう。
お友達との距離が近くなってきた。
そんな「あぶないな」という空気を感じたら、手が出る前にそっと間に入りましょう。
起きてから叱るより、起きる前に防ぐほうが、親も子もずっと楽です。
小さな先回りの積み重ねが、成功体験を増やしていきます。
わが子が手を出したとき、親の心も揺れます
ここまで対応のコツをお伝えしてきました。
でも、頭で分かっていても、心はそう簡単に切りかえられませんよね。
わが子が誰かをかんだと聞いた瞬間、さっと血の気が引く。
相手の親御さんに謝りながら、消えてしまいたい気持ちになる。
そんな思いをしているのは、あなただけではありません。
多くのママ・パパが、同じ気持ちを何度も味わっています。
ここで大切なのは、自分を責めすぎないことです。
子どもが手を出すのは、親の愛情が足りないからではありません。
発達の途中で、多くの子が通る道なのです。
「うちの子は大丈夫かな」と心配になる気持ちは、わが子を大切に思っている証拠です。
その気持ちがある限り、お子さんはちゃんと成長していきます。
もし心がしんどくなったら、少しだけ肩の力を抜いてください。
親が笑顔でいることが、じつは子どもの落ち着きにもつながります。
パパにもできる、かみつき・他害のサポート
この問題は、ママ一人で抱えこむものではありません。
パパにもできることが、たくさんあります。
まず、ママの話を聞いてねぎらう
日中ずっと子どもと向き合っていると、心がすり減ります。
「今日も大変だったね」の一言で、ママの気持ちはずいぶん軽くなります。
解決策を出すより、まず気持ちに寄りそうことを大切にしてください。
体を使った遊びで、気持ちを発散させる
ありあまるエネルギーが、手出しの原因になることもあります。
休みの日に、公園でたっぷり体を動かして遊ぶ。
それだけで、子どもの気持ちはぐっと落ち着きます。
パパの出番が、いちばん光る場面です。
夫婦で「対応の仕方」をそろえる
ママは気持ちをくむのに、パパは強く叱る。
これでは子どもは混乱してしまいます。
「止める→気持ちをくむ→ほめる」の流れを、夫婦で共有しておきましょう。
二人が同じ方向を向くだけで、対応の効果はぐんと上がります。
保育園・幼稚園の先生と上手に連携するコツ
集団生活の中では、家では見えない姿があります。
先生と協力することで、対応がぐっとスムーズになります。
「どんな場面で起きたか」を具体的に聞く
「かみました」だけでは、対応のヒントになりません。
「どんなときに」「誰と」「その前に何があったか」を聞いてみてください。
場面が分かれば、おうちでも同じ場面に気をつけられます。
家でのようすも先生に伝える
「最近、下の子が生まれて甘えたがる」など、家の状況も共有しましょう。
先生はそれをふまえて、園でも配慮してくれます。
家と園、両方で同じ方向を向くことが、いちばんの近道です。
責め合いではなく、チームとして向き合う
先生を責めたり、逆に必要以上に恐縮したりする必要はありません。
「一緒にこの子の成長を見ていきましょう」という気持ちで向き合ってください。
親と先生がチームになると、子どもはいちばん安心できます。
受診・相談を考えたほうがよい目安
ほとんどのかみつき・他害は、成長とともに自然におさまります。
ただ、次のような場合は、一人で抱えこまず相談してみてください。
相談先は、かかりつけの小児科や、市区町村の子育て相談窓口、保育園の先生などです。
・年齢が上がっても(4〜5歳以降)、手が出る回数が減らない
・けがをさせるほど、力が強く止まらない
・言葉の育ちが、まわりと比べてゆっくりに感じる
・親自身が、つらくて余裕をなくしている
相談は「大げさなこと」ではありません。
早めに話を聞いてもらうことで、親も子もぐっと楽になります。
よくある質問(FAQ)
Q1|かみつきは、いつになったらおさまりますか?
言葉が育ってくる2〜3歳ごろから、少しずつ減っていくことが多いです。
個人差はありますが、気持ちを言葉で言えるようになると、自然と手が出なくなっていきます。
Q2|お友達をかんでしまいました。相手にどう謝ればいい?
まずは正直に、誠実に謝るのがいちばんです。
「うちの子がかんでしまって、ごめんなさい」と伝え、けがの様子を気づかいましょう。
言いわけをせず、真摯に向き合う姿勢が、相手に伝わります。
Q3|何度言ってもやめません。私の育て方が悪いの?
いいえ、育て方のせいではありません。
がまんする力は、まだ育っている途中です。
すぐにやめられないのが、この時期の当たり前の姿だと思ってください。
Q4|叱っても効果がないように感じます
強く叱ることは、じつはあまり効果がありません。
それより「気持ちをくむ→正しい言い方を渡す→できたらほめる」のくり返しのほうが、ずっと効きます。
時間はかかりますが、これがいちばんの近道です。
Q5|下の子が生まれてから、かみつきが増えました
それは「もっと自分を見てほしい」というサインかもしれません。
叱るより先に、上の子と二人きりの時間を少し増やしてみてください。
心が満たされると、手が出る回数は自然と落ち着いていきます。
Q6|保育園でだけ手が出ます。家では出ないのですが
集団の中は、刺激も多く、取り合いも起きやすい場所です。
家では出なくても、園で出ることはよくあります。
先生と情報を共有し、どんな場面で起きるかを一緒に見ていくと安心です。
Q7|きょうだいげんかで、上の子が下の子をたたきます
上の子には、上の子なりの言い分があります。
まずは上の子の気持ちを先に聞いてあげてください。
くわしくはきょうだいげんかの仲裁ガイドを参考にしてみてください。
Q8|「ごめんね」を言わせたほうがいいですか?
無理に言わせる必要はありません。
気持ちがともなわない「ごめんね」は、形だけになってしまいます。
それより、親が「痛かったね、ごめんね」とお手本を見せてあげましょう。
その姿を見て、子どもは少しずつ「あやまる気持ち」を学んでいきます。
Q9|おもちゃを取られても、手を出さない子にするには?
「取られたら、かして、って言おうね」と、ふだんから練習しておくのが効果的です。
いざという場面で、言葉がとっさに出てくるようになります。
そして、言葉で言えたときには、たっぷりほめてあげてください。
「言えた」という成功体験が、手を出さない力を育てます。
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まとめ|手が出るのは「成長の途中」。あせらず向き合おう
🌱 今日のポイントおさらい
・かみつき・他害は「乱暴」ではなく、伝えたい気持ちがあふれたサイン
・がまんする力は、これからゆっくり育つ。すぐにやめられなくて当たり前
・NGは「かみ返す・長く叱る・問いつめる」の3つ
・対応は「止める→気持ちをくむ→正しい言い方を渡す→相手に気づく→ほめる」
・4〜5歳以降も減らない、つらいときは、一人で抱えず相談を
わが子が誰かをかんだり、たたいたりすると、本当に胸が痛みますよね。
でも、それはあなたの子が乱暴だからでも、あなたの育て方が悪いからでもありません。
「伝えたい気持ちがあるのに、まだ言葉にできない」——ただ、それだけのことなのです。
気持ちを代わりに言葉にしてあげること。
できたときに、しっかりほめてあげること。
この積み重ねの先で、お子さんはきっと、言葉で気持ちを伝えられるようになります。
手が出る時期は、ずっと続くわけではありません。
言葉が育つにつれて、必ず落ち着いていきます。
今日という日も、お子さんと向き合っているあなたは、本当にがんばっています。
どうか、自分のこともたっぷりねぎらってあげてくださいね。
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