「うちの子、睡眠時間って足りているのかな?」「何時に寝かせればいいの?」「寝つきが悪くて、寝かしつけに毎晩1時間かかる…」——子どもの睡眠に悩むママ・パパはとても多いものです。
この記事では、子どもの年齢別の必要睡眠時間の目安を早見表でまとめ、なぜ規則正しい睡眠が大切なのかをやさしく解説し、寝つきをよくする5つの方法と生活リズムの整え方まで、まるごとお伝えします。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとにした年齢別のめやす早見表も用意しました。
「何時間寝かせればいい?」「早寝早起きにするには?」という疑問が、読み終わるころには「これならできそう」に変わるはずです。
専門用語は使わず、寝不足の頭でもスッと入る言葉でまとめました。
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まずは結論から。
子どもの睡眠は「何時間眠るか(量)」と「毎日同じリズムで眠るか(質・規則正しさ)」の両方が大切です。
そして寝つきをよくする一番のコツは、じつは「夜」ではなく「朝と昼の過ごし方」にあります。
その理由を、眠りのしくみからやさしく見ていきましょう。
なぜ睡眠時間と規則正しさが大切なの?——「眠りの2つのスイッチ」でわかる寝つきのしくみ
「早く寝なさい」と言っても、なかなか寝てくれない。
これは子どものわがままではなく、眠りのしくみを知ると納得できます。
睡眠研究では、人が眠くなるのは「2つのスイッチ」がそろったときだと考えられています(むずかしい言葉では、スイスの睡眠学者ボルベーイが提唱した「睡眠の二過程モデル」と呼びます)。
この2つを味方につけることが、寝つきをよくする近道です。
1つ目のスイッチは、「眠気のたまり」です。
人は起きている時間が長くなるほど、体の中に「眠気のもと」が少しずつたまっていきます。
朝起きてから時間がたつほど眠気は強くなり、たっぷりたまった夜に一気に眠くなる——これが自然な流れです。
ところが、夕方に長く昼寝をしすぎると、この眠気のたまりがリセットされてしまい、夜になっても眠くならない。
「昼寝が遅い・長い→夜に寝つけない」のは、このスイッチのせいなのです。
2つ目のスイッチは、「体内時計」です。
人の体には、およそ24時間のリズムで「昼は活動モード・夜は休息モード」を切りかえる時計が備わっています。
この時計を毎朝リセットして正しく動かす一番の合図が「光」です(体内時計を合わせる合図を、専門用語では「同調因子」と呼びます)。
朝に明るい光を浴びると体内時計がリセットされ、その約14〜16時間後に「眠りを誘う体内の物質(メラトニン)」が出て自然に眠くなります。
逆に、夜に強い光(スマホ・テレビ・明るい部屋)を浴びると、この物質が出るのが遅れて寝つきが悪くなるのです。
つまり、寝つきをよくするには——①朝は光を浴びて体内時計をリセットし、②昼寝は早め・短めにして夜に眠気をためて、③夜は光を落として眠りの物質が出るのを邪魔しない。
この3つがそろえば、子どもは自然と眠くなります。
「夜、必死で寝かしつける」のではなく、「朝と昼で夜の眠りを準備する」という発想の切りかえが、いちばんのコツなのです。
核心:子どもの寝つきは「眠気のたまり」と「体内時計」という2つのスイッチで決まります。寝かしつけの勝負は、夜ではなく「朝と昼」についています。朝の光・早めの昼寝・夜の暗さ——この3つを整えるだけで、寝かしつけはぐっとラクになります。
睡眠時間で「足りている?」を判断するときの3つのNG
子どもの睡眠時間を気にするあまり、かえって親子ともに疲れてしまうことがあります。
まずは「やりがちな3つのNG」を知って、力の抜きどころを見つけましょう。
NG1:早見表の数字とピッタリ合わないと不安になる
「11時間寝かせなきゃいけないのに、10時間しか寝ていない」——早見表の数字はあくまで「めやすの幅」で、必要な睡眠時間には個人差があります。
同じ年齢でも、たくさん眠る子もいれば、少なめでも元気な子もいます。
大切なのは数字にピッタリ合わせることではなく、「日中、機嫌よく元気に過ごせているか」。
昼間に強い眠気やぐずりがなく、活発に遊べていれば、多少数字より短くても心配しすぎなくて大丈夫です。
NG2:寝る時刻だけを気にして、起きる時刻がバラバラ
「早く寝かせよう」とばかり考えて、朝は毎日ちがう時間に起こしていませんか。
体内時計は「毎朝同じ時間に起きて光を浴びる」ことでリセットされます。
休みの日に朝寝坊をさせると時計がずれ、次の夜に寝つけなくなります(いわゆる「時差ぼけ」に近い状態です)。
整えるべきは寝る時刻よりまず「起きる時刻」。
起床を一定にすれば、眠る時刻は後から自然についてきます。
NG3:寝る直前まで動画・ゲーム・激しい遊びをさせる
寝る直前のスマホ・テレビ・タブレットの光は、眠りを誘う体内の物質が出るのを遅らせます。
また、寝る前の激しい遊びやくすぐり遊びは、体を「活動モード」にしてしまい、興奮してますます眠れなくなります。
寝る前1時間は「光を落として・静かに・同じ流れで」過ごすのが鉄則。
「もう1回」「あと5分」に付き合うほど、寝つきは遠のいてしまいます。
今日からできる!寝つきをよくする5つの方法
眠りのしくみがわかれば、やることはシンプルです。
今日から少しずつ始められる5つの方法を紹介します。
全部を完璧にやる必要はありません。
まずは1つからで大丈夫です。
方法1:朝はカーテンを開けて、光で体内時計をリセット
寝つきをよくする最初の一歩は、じつは「朝」にあります。
起きたらまずカーテンを開けて、子どもと一緒に朝の光を浴びましょう。
曇りの日でも、屋外や窓ぎわの明るさは体内時計をリセットするのに十分です。
朝の光を浴びた約14〜16時間後に眠りの物質が出るので、朝7時に光を浴びれば、夜9時ごろ自然に眠くなる計算になります。
「早く寝かせたい」なら「早く起こして光を浴びる」——これが遠回りに見えて一番の近道です。
方法2:昼寝は「早め・短め」に切り上げる
昼寝は成長に必要ですが、夕方までズレこむと夜の寝つきを邪魔します。
めやすは「15時までに切り上げる」。
1〜2歳は昼寝1〜2時間、3〜5歳は昼寝をするなら1時間ほどにして、遅くなりすぎたら早めに起こしましょう。
園でお昼寝がある子は、休日も同じくらいの時間帯にそろえるとリズムが乱れにくくなります。
年中〜年長で夜の寝つきが悪くなってきたら、昼寝を短くする(または卒業する)タイミングのサインかもしれません。
方法3:日中はしっかり体を動かして「眠気」をためる
夜ぐっすり眠るには、日中に体をよく動かして「眠気のたまり」を作ることが大切です。
外遊び・散歩・公園など、できれば午前中から日中に、体を使った活動を取り入れましょう。
日光を浴びながら体を動かすと、体内時計も整い、眠気もたまって一石二鳥です。
雨の日は室内でもOK。
マット遊びやダンスなど、汗ばむくらいの活動があると夜の眠りが深くなります。
方法4:寝る前1時間は「暗く・静かに・同じ流れ」に
寝る1時間前になったら、部屋の照明を少し落とし、テレビやタブレットは消しましょう。
そして「お風呂→歯みがき→絵本→おやすみ」のように、毎晩同じ順番(入眠儀式)をくり返します。
同じ流れをくり返すと、子どもの脳は「この流れの次は眠る時間」と学習し、自然と眠りモードに入れるようになります。
お風呂は寝る1〜1時間半前に済ませると、体の内側の温度が下がるタイミングで眠くなり、寝つきがよくなります。
方法5:起きる時刻を「休日もそろえる」
生活リズムを整える土台は、「毎朝同じ時間に起きること」です。
平日も休日も、起きる時刻の差はできれば1時間以内に。
「昨日は寝るのが遅かったから」と朝寝坊をさせると、その日の夜また寝つけず…という悪循環になります。
多少寝るのが遅くなった翌朝も、いつもの時間に起こして光を浴びる。
すると自然と夜に眠くなり、リズムが元に戻ります。
崩れたリズムは「朝」から立て直すのが鉄則です。
【年齢別】子どもの必要睡眠時間 早見表
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」などをもとに、年齢別のおおよその必要睡眠時間と、寝る時刻・昼寝のめやすをまとめました。
あくまで「幅のあるめやす」で、個人差があります。
数字にピッタリ合わせることより、「日中を機嫌よく元気に過ごせているか」を目安にしてください。
| 年齢のめやす | 1日の睡眠時間の目安 (昼寝を含む) |
昼寝のめやす | 就寝〜起床の一例 | 整えるコツ |
|---|---|---|---|---|
| 4か月〜1歳 | 12〜16時間 | 午前・午後に数回 | 19:30就寝〜6:30起床+昼寝 | 朝の光でリズムづくりを開始。夜間はまだ起きて当然 |
| 1〜2歳 | 11〜14時間 | 昼に1〜2時間 | 20:00就寝〜7:00起床+昼寝 | 昼寝は午後の早い時間に。夕方の寝すぎに注意 |
| 3〜5歳 | 10〜13時間 | するなら1時間ほど (15時までに) |
20:30就寝〜7:00起床 | 寝つきが悪ければ昼寝を短く・卒業も検討 |
| 6〜12歳 (小学生) |
9〜12時間 | 基本なし | 21:00就寝〜6:30起床 | 就寝前のゲーム・動画を控える。起床を一定に |
| 13〜18歳 (中高生) |
8〜10時間 | 基本なし | 22:30就寝〜7:00起床 | 夜のスマホが最大の敵。休日の寝だめもほどほどに |
※上記は「健康づくりのための睡眠ガイド2023」等をもとにした一般的なめやす(2026年7月時点)です。
必要な睡眠時間には個人差があります。
気になる眠りの乱れ(いびき・強い日中の眠気・発達の心配など)が続く場合は、かかりつけの小児科に相談してください。
よくある質問(子どもの睡眠時間 Q&A)
Q1. 睡眠時間が早見表より少し短いです。大丈夫でしょうか?
必要な睡眠時間には個人差があり、早見表は「幅のあるめやす」です。
日中に強い眠気やぐずりがなく、機嫌よく元気に過ごせていれば、多少短くても過度に心配する必要はありません。
逆に、寝ているのに昼間ずっと眠そう・不機嫌が続く場合は、睡眠の「質」が下がっているサインかも。
就寝環境や生活リズムを見直してみましょう。
Q2. 寝かしつけに毎晩1時間以上かかります。どうすれば?
まず「朝・昼」を見直しましょう。
朝の光・日中の活動・早めの昼寝で夜に眠気をためるのが先決です。
そのうえで、寝る前1時間は照明を落とし、毎晩同じ流れ(お風呂→歯みがき→絵本→就寝)をくり返します。
それでも時間がかかるときは、就寝時刻が体のリズムより早すぎる可能性も。
15〜30分だけ後ろにずらして「眠くなってから布団へ」にすると、すんなり寝つけることがあります。
Q3. 早寝早起きにしたいのに、夜なかなか寝てくれません。
「早く寝かせる」より「早く起こす」から始めてください。
今より15分早く起こして朝の光を浴びる→日中しっかり活動→昼寝を早めに→夜は暗く。
この積み重ねで、眠る時刻は後から自然に前へ動きます。
いきなり1時間早めようとせず、起床・就寝を15分ずつ前倒しするのが成功のコツです。
Q4. 休日についつい朝寝坊させてしまいます。ダメですか?
休日の寝だめは、月曜からのリズムを崩す原因になります(体が「時差ぼけ」を起こします)。
とはいえ疲れをとりたい日もありますよね。
その場合は「いつもより1時間まで」を上限に。
それ以上眠りたいときは、朝はいったん起こして光を浴びてから、昼寝で補うほうがリズムは乱れにくくなります。
Q5. 昼寝をなかなかやめられません。いつ卒業すればいい?
昼寝の卒業時期は個人差が大きく、3〜6歳ごろに少しずつ短く・なくなっていくのが一般的です。
「昼寝をすると夜の寝つきが悪くなってきた」のが、卒業を考えるサイン。
急にやめるのではなく、昼寝の時間を短くする・時間帯を早めるところから始め、夕方の寝落ちだけは避けましょう。
園で昼寝がある場合は、家庭では無理にさせなくて大丈夫です。
Q6. 寝る前のスマホ・動画は、本当にそんなに悪いですか?
寝る前の強い光(スマホ・タブレット・テレビ)は、眠りを誘う体内の物質が出るのを遅らせ、寝つきを悪くします。
さらに、動画やゲームは脳を興奮させ、なかなか「眠りモード」に切りかわりません。
寝る1時間前には画面をオフにするのが理想です。
どうしても使う日は明るさを下げ、寝る直前は避けるだけでもちがいます。
親も一緒に「画面オフの時間」をつくると続けやすいですよ。
Q7. 睡眠不足だと、子どもにどんな影響がありますか?
睡眠は、体の成長・脳の発達・心の安定に深く関わっています。
眠りが足りないと、日中の集中力の低下・イライラや情緒の不安定・食欲や体調への影響が出やすくなります。
とはいえ一晩の寝不足で大きな問題になるわけではありません。
大切なのは「毎日の積み重ね」。
完璧を目指さず、まずは起床時刻をそろえるところから、できることを1つずつ整えていきましょう。
夜型になってしまった生活リズムの立て直し方(3ステップ)
連休や体調不良、旅行などで生活リズムが崩れ、「夜なかなか寝ない・朝起きられない」という夜型になってしまうことは、どの家庭にもあります。
あわてて一気に直そうとすると失敗しがち。
体内時計は一度に大きくは動かせないので、次の3ステップで少しずつ立て直しましょう。
ステップ1:まず「起床時刻」を固定する
立て直しは「寝る時刻」ではなく「起きる時刻」からです。
夜遅く寝た翌朝も、目標の起床時刻にいったん起こしてカーテンを開け、朝の光を浴びさせます。
最初の数日は眠くてぐずるかもしれませんが、ここを固定しないとリズムは戻りません。
「早く寝ないから起こせない」ではなく、「早く起こすから夜眠くなる」——順番が逆だと覚えておきましょう。
ステップ2:日中は活動的に、昼寝は早め・短めに
朝早く起こしたぶん日中に眠くなりますが、ここで長い昼寝をさせると夜また眠れず逆戻りです。
午前中に外遊びや散歩で体を動かし、昼寝は15時までに短く切り上げましょう。
夕方の「うっかり寝落ち」はいちばんの大敵。
夕方に眠そうなら、お風呂や散歩で気をそらして乗り切ります。
日中しっかり活動すれば、夜に「眠気のたまり」が育ちます。
ステップ3:就寝時刻を15分ずつ前へずらす
いきなり2時間早く寝かせようとしても体はついてきません。
数日ごとに、寝る時刻を15〜30分ずつ前倒ししていきます。
夜は寝る1時間前から照明を落とし、画面をオフにして、いつもの入眠儀式(お風呂→歯みがき→絵本)をくり返します。
あせらず1〜2週間かけて戻すつもりで。
崩れるのは一瞬でも、整えるには少し時間がかかる——それが体内時計の性質なので、うまく戻らなくても自分や子どもを責めないでくださいね。
きょうだいがいるご家庭では、上の子と下の子で就寝時刻をずらすなど、家庭の事情に合わせて無理のない形で整えていきましょう。
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まとめ:今日からまず1つだけ
まず避けたい3つのNG
- 早見表の数字とピッタリ合わないと不安になる(めやすは幅・日中の元気さで判断)
- 寝る時刻だけ気にして、起きる時刻がバラバラ(整えるのは「起床」から)
- 寝る直前まで動画・ゲーム・激しい遊びをさせる(寝る前1時間は暗く静かに)
寝つきをよくする5つの方法
- 朝はカーテンを開けて、光で体内時計をリセット
- 昼寝は「早め・短め」に切り上げる(15時までに)
- 日中はしっかり体を動かして「眠気」をためる
- 寝る前1時間は「暗く・静かに・同じ流れ」に
- 起きる時刻を「休日もそろえる」
今日からまず1つ:明日の朝、起きたらカーテンを開けて、子どもと一緒に朝の光を浴びましょう。寝かしつけの勝負は「夜」ではなく「朝」から。この小さな一歩が、数週間後の夜を少しずつ変えていきます。
子どもの睡眠は、体の成長・脳の発達・心の安定を支える大切な土台です。
でも、毎晩完璧に早見表どおりに眠らせる必要はありません。
大切なのは「量」と「規則正しさ」を、できる範囲で少しずつ整えていくこと。
朝の光・日中の活動・夜の暗さ——この3つを意識するだけで、寝かしつけは驚くほどラクになります。
うまくいかない夜があっても、自分を責めないでください。
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