「もう5歳なのに、まだおねしょが治らない…」
「毎朝シーツを洗うのがつらい」
「うちの子だけ遅れているのかな?」
夜のおしっこ、つまり「おねしょ(夜尿)」について、こんなふうに悩んでいませんか。
結論からお伝えします。
おねしょの多くは、しつけや育て方のせいではありません。
体の成長が追いつくのを待っている、ごく自然な状態です。
この記事では、おねしょはいつまで続くのか、年齢別のおおよその目安、やってはいけない対応、夜のおむつを卒業していくための具体的なコツ、そして病院を考える目安までを、やさしい言葉でまとめました。
読んだその日から、肩の力を抜いて向き合えるようになるはずです。
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夜のおしっこは、まだ自分では止められません
まず知ってほしいことがあります。
夜のおしっこを我慢する力は、練習して身につくものではありません。
体の中の2つの仕組みが育つのを、静かに待つ必要があるのです。
1つ目は、夜のあいだにおしっこの量を減らすホルモンです。
眠っている間はおしっこを少なめにするスイッチが体にあります。
このスイッチは年齢とともに少しずつ働くようになります。
まだ育っている途中だと、夜にたくさんおしっこが作られてしまいます。
2つ目は、おしっこをためる「膀胱(ぼうこう)」の大きさです。
膀胱とは、おしっこをためておく袋のことです。
小さい子はこの袋がまだ小さく、朝まで全部ためておけないことがあります。
つまり、たくさん作られるのに、ためる場所が足りない。
この2つが重なると、眠っている間にあふれてしまうのです。
ここで大切なのは、これは本人の努力ではどうにもならない、ということです。
心理学では、コントロールできないことで叱られ続けると「どうせ自分はダメだ」と感じてしまうことが知られています(セリグマンという研究者が示した「学習性無力感」という考え方です)。
簡単に言うと、頑張っても無理なことで責められると、やる気そのものが折れてしまう、ということです。
だからこそ、親の役割は「治させる」ことではありません。
安心できる環境をつくって、体の成長を待ってあげることなのです。
核心:おねしょは「夜のおしっこを減らすホルモン」と「膀胱の大きさ」が育つのを待つ、体の発達の問題です。叱っても早くは治りません。安心・生活リズム・水分の工夫・できた日を一緒に喜ぶこと、この4つで卒業に近づきます。
よかれと思ってやりがちな3つのNG
NG1:「またやったの?」と叱る・責める
いちばん避けたいのが、叱ることです。
本人はわざとやっているわけではありません。
眠っている間の出来事なので、止めようがないのです。
叱られると「自分はダメな子だ」という気持ちだけが残ります。
その不安がかえって眠りを浅くし、おねしょが増えることもあります。
気になる気持ちは、指しゃぶりや爪かみと同じで、責めるほど長引きやすいと考えてください。
NG2:夜中に無理やり起こしてトイレに連れて行く
「夜中に起こせば防げるのでは」と思うかもしれません。
でも、これはおすすめできません。
深い眠りを何度も邪魔すると、体を休める力や、先ほどの夜のホルモンの働きをじゃましてしまいます。
睡眠は子どもの成長にとって、とても大切です。
眠りの質については子どもの睡眠時間の記事もあわせて読んでみてください。
NG3:「◯◯ちゃんはもう卒業したよ」と比べる
ほかの子と比べる言葉も、ぐっと飲み込みましょう。
おねしょの卒業時期には、とても大きな個人差があります。
早い子もいれば、小学生になっても続く子もいます。
比べられると、子どもは自信をなくしてしまいます。
くらべる相手は「昨日のわが子」だけで十分です。
自分のペースで進む力は、子どもの自立心を育てる記事ともつながっています。
今日から始められる5つの実践
実践1:夕方以降の水分を、少しだけ調整する
まずは水分のとり方を工夫します。
日中はしっかり飲ませて大丈夫です。
夕食のあと、寝る2時間前くらいから、飲む量をやさしく減らしていきます。
とくに麦茶やジュースなどは、夜に一気に飲ませないようにします。
ただし、暑い日やのどが渇いているときに我慢させる必要はありません。
「寝る前にコップ1杯まで」など、ゆるいルールで十分です。
実践2:寝る前に必ずトイレへ行く習慣をつくる
寝る直前のトイレを、毎日の習慣にします。
「おやすみの前は、トイレでおしまい」と声をかけましょう。
ここでしっかり出しておくだけで、朝までもちやすくなります。
歯みがきとセットにすると、忘れにくくなります。
寝る前の流れづくりは歯みがきを習慣にするコツも参考になります。
実践3:体を冷やさない・お腹を温める
体の冷えは、おしっこが近くなる原因になります。
寝るときにお腹や足が冷えないようにしてあげましょう。
腹巻きをしたり、寝室が寒すぎないように整えたりします。
お風呂で体をしっかり温めてから寝るのも効果的です。
「体をぽかぽかにして眠る」を合言葉にしてみてください。
実践4:できた朝を、一緒に喜ぶ
ここがいちばん大事なコツです。
おねしょをしなかった朝は、大げさなくらい一緒に喜びましょう。
カレンダーに好きなシールを貼るのもおすすめです。
心理学では、うまくいった行動をほめられると、その行動が増えやすいと言われています(「正の強化」という考え方です)。
つまり、できた日を喜ぶほど、子どもの自信とやる気が育つということです。
できなかった朝は、シールを剥がしたり残念がったりしないでください。
「大丈夫、着替えようね」と、いつも通りに片づけるだけで十分です。
実践5:後始末をラクにして、親のイライラを減らす
親の心の余裕も、りっぱな対策です。
防水シーツやおねしょパッドを使えば、後始末がぐっとラクになります。
洗い替えのシーツを用意しておくと、夜中でもあわてません。
後始末が軽くなると、「またか…」というイライラも減ります。
親が笑顔でいられることが、子どもの安心につながります。
生活リズムを整える工夫は早寝早起き・健康習慣の記事もあわせてどうぞ。
年齢別おねしょの目安・家庭での対応・受診の目安早見表
あくまで平均的な目安です。
成長のスピードには大きな個人差があるので、表よりゆっくりでも心配しすぎないでください。
| 年齢 | おねしょの様子(目安) | 家庭でしたいこと | 受診を考える目安 |
|---|---|---|---|
| 2〜3歳 | ほぼ毎晩あって当たり前の時期 | おむつでOK。叱らず見守る | 基本的に不要 |
| 4歳 | 少しずつ減り始める子も | 寝る前トイレ・水分調整を開始 | 不要(様子見でよい) |
| 5〜6歳 | 週に数回まで減ることが多い | できた朝を一緒に喜ぶ・冷え対策 | 毎晩続き本人も気にするなら相談を |
| 小学1〜2年 | ほとんどの子が卒業していく | 焦らせず生活リズムを整える | 週2回以上が数か月続くなら受診 |
| 小学3年以上 | 続く場合は治療で改善できることも | 本人の気持ちを優先し無理をさせない | 早めに小児科・泌尿器科へ相談 |
大切なのは「何歳で治るか」ではありません。
子ども本人がつらそうか、親子で無理をしていないか、で判断してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. おねしょは何歳まで様子を見ていいですか?
小学校に上がる前までは、あまり心配いりません。
5〜6歳ではまだ卒業していない子もたくさんいます。
小学生になっても週に数回続く場合は、一度かかりつけに相談してみましょう。
Q2. 夜中に起こしてトイレに行かせるのはダメですか?
基本的にはおすすめしません。
深い眠りを邪魔すると、体の成長や夜のホルモンの働きをじゃましてしまいます。
起こすより、寝る前にしっかり出しておくほうが効果的です。
Q3. おむつはいつ外せばいいですか?
無理に外す必要はありません。
おむつは「失敗を防ぐお守り」くらいに考えてください。
朝までぬれない日が続いてきたら、そっとパンツに切り替えてみましょう。
Q4. 昼はおむつが外れたのに、夜だけ続くのはなぜ?
それはとても自然なことです。
昼のおしっこは意識でコントロールできますが、夜は体の仕組み次第だからです。
昼と夜は別物と考えて、夜はゆっくり待ってあげましょう。
昼のトイレについてはトイレトレーニングの記事を参考にしてください。
Q5. 一度治ったのに、また始まってしまいました
途中で戻ることは、めずらしくありません。
弟や妹が生まれたり、入園・入学など環境が変わったりすると、一時的に増えることがあります。
心のサインでもあるので、責めずにたっぷり甘えさせてあげてください。
Q6. 旅行やお泊まりが心配です
その日はおむつやパッドを使って大丈夫です。
「念のためのお守り」と伝えれば、本人も安心できます。
楽しい思い出を優先して、気楽に出かけましょう。
Q7. 病院では何をしてくれますか?
まずは体に病気がないかを確認してくれます。
そのうえで、生活の見直しや、必要なら飲み薬・アラーム療法などを提案してくれます。
「相談してよかった」と感じる親御さんは多いので、抱え込まず頼ってみてください。
パパ(パートナー)にできる3つのサポート
おねしょの対応は、ママ一人で抱え込みがちです。
毎朝のシーツ洗いや着替えは、思っている以上に体力も気力も使います。
パパやパートナーが少し動くだけで、家全体の空気がやわらぎます。
サポート1:朝の後始末を「気づいた人がやる」にする
おねしょの朝は、シーツやパジャマの洗濯が増えます。
これを「気づいたほうがやる」に変えるだけで、負担が半分になります。
「今日は僕が洗っておくね」の一言が、パートナーの心を軽くします。
サポート2:子どもの前で「大丈夫だよ」と言う役になる
子どもは、大人の表情をよく見ています。
おねしょをして落ち込んでいるとき、笑顔で「大丈夫」と言える人がいると安心します。
親のどちらかが穏やかでいるだけで、子どもの緊張はほどけます。
サポート3:パートナーを責めない・比べない
「もっとこうすれば」と相手を責めるのはやめましょう。
おねしょは誰のせいでもありません。
夫婦で同じ方向を向いて、子どもをまん中で応援していくことが大切です。
夫婦での協力については子どもの自立心を育てる記事の考え方も役に立ちます。
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まとめ:今日からできる1つだけ
まず3つのNGをやめる
- 「またやったの?」と叱らない
- 夜中に無理やり起こさない
- ほかの子と比べない
そして5つを少しずつ
- 寝る2時間前から水分を調整
- 寝る前に必ずトイレ
- 体を冷やさない・お腹を温める
- できた朝を一緒に喜ぶ
- 後始末をラクにして親の余裕を守る
今日からまず1つ:今夜、寝る前に「トイレでおしまいしようね」と声をかけてみてください。それだけで一歩前進です。
おねしょは、あなたの育て方のせいではありません。
体がちゃんと育っていく途中の、通り道のようなものです。
焦らず、比べず、できた日を一緒に喜んでいきましょう。
気になるときは、トイレトレーニングや睡眠時間の記事も合わせて読んでみてください。
あなたと子どもの毎晩が、少しでも安心できるものになりますように。
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