【完全版】出産手当金の申請方法|産休中にもらえる金額の計算・対象になる人・産前42日+産後56日の期間と申請の流れ5ステップ早見表【2026年版】

「産休に入ったら、お給料はどうなるの?」

「働けない間の生活費、うちは大丈夫かな…」

出産を前にして、そんなお金の不安をかかえていませんか。

会社勤めのママが産休中に受け取れるお金が「出産手当金」です。

この記事は、健康保険からもらえる出産手当金について、対象になる人・もらえる金額の計算方法・支給される期間(産前42日+産後56日)・申請の流れ5ステップ・必要書類・窓口・期限まで、はじめての方にもわかるようにやさしくまとめた完全ガイドです。

よく似た名前の「出産育児一時金(原則50万円)」とのちがい、共働きのケース、退職したあとでももらえる条件まで、早見表つきで解説します。

読み終わるころには、「うちはいくらぐらい、いつ受け取れそう」と見通しが立つようになります。

目次

出産手当金って、そもそもどんなお金?

出産手当金は、会社勤めのママが産休で仕事を休んでいる間、健康保険からもらえるお金です。

産休中は、多くの会社でお給料が止まります。

その間の生活を支えてくれるのが、この出産手当金なのです。

ざっくり言うと、休んでいる間のお給料の代わりに、いつものお給料のおよそ3分の2が受け取れます。

ここで、名前がよく似た「出産育児一時金」と混同する人がとても多いです。

この2つは、まったく別のお金です。

出産育児一時金は、出産の費用にあてるための赤ちゃん1人あたり原則50万円のお金。

一方の出産手当金は、産休で働けない間の「生活費」を支えるお金です。

両方とも条件を満たせば受け取れるので、片方だけで満足しないよう注意しましょう。

出産育児一時金のくわしい受け取り方は出産育児一時金(原則50万円)の申請方法で解説しています。

核心:出産手当金は「産休中のお給料の代わり」で、金額はいつものお給料のおよそ3分の2。出産費用にあてる「出産育児一時金(50万円)」とは別のお金です。会社の健康保険に入って働いているママが対象で、まずは勤め先に「産休中に出産手当金は出ますか?」と聞くのが第一歩です。


もらえるのは誰?対象になる人・ならない人

出産手当金は、だれでももらえるわけではありません。

ここが出産育児一時金といちばんちがうところなので、しっかり確認しておきましょう。

対象になるのは、勤め先の健康保険(協会けんぽや健康保険組合、公務員の共済など)に自分で入って働いているママです。

正社員だけでなく、条件を満たせばパートや契約社員でも対象になります。

大切なのは「自分の名前で健康保険に入っているかどうか」です。

ここで気をつけたいのが、パパの扶養に入っている専業主婦(夫)のママは対象外だということ。

出産育児一時金は扶養に入っている家族でももらえますが、出産手当金は「働いて自分で保険料を払っている本人」だけが対象なのです。

また、自営業やフリーランスで国民健康保険に入っている人も、原則として対象外になります。

下の早見表で、自分が対象かどうかを確かめてみてください。

あなたの働き方・保険 出産手当金
会社員・公務員(勤め先の健康保険に本人として加入) もらえる
パート・契約社員(勤め先の健康保険に加入している) もらえる
パパの扶養に入っている専業主婦(夫) もらえない
自営業・フリーランス(国民健康保険) 原則もらえない

もうひとつの条件は、産休中に会社からお給料が支払われていないことです。

お休みの間もお給料が満額出ている場合は、出産手当金は受け取れません。

ただし、お給料が手当金より少ない金額しか出ていないときは、その差額をもらえます。

自分が対象になるか迷ったら、勤め先の担当者か加入している健康保険に確認するのがいちばん確実です。


いくらもらえる?計算方法をやさしく解説

「けっきょく、いくらもらえるの?」というのが、いちばん気になるところですよね。

出産手当金の1日あたりの金額は、次のように計算します。

「これまでのお給料(標準報酬月額)の平均 ÷ 30日 × 3分の2」です。

むずかしそうに見えますが、要は「1日分のお給料のおよそ3分の2」ということ。

ここで出てくる「標準報酬月額」とは、健康保険料を決めるもとになる、お給料をきりのいい額に区切ったものです。

だいたい毎月のお給料に近い金額だと思って大丈夫です。

下の早見表で、お給料ごとのおおよその金額を見てみましょう。

お給料(標準報酬月額)の目安 1日あたり 産前産後98日フルで休んだ場合の目安
20万円 約4,444円 約43万6,000円
24万円 約5,333円 約52万3,000円
30万円 約6,667円 約65万3,000円
36万円 約8,000円 約78万4,000円

※98日は「産前42日+産後56日」をすべて休んだ場合の目安です。

実際の日数は出産の日によって前後するので、あくまで目安として見てください。

ここで気をつけたいのが、健康保険に入ってからまだ12か月たっていない人です。

その場合は、入っている間の平均か、全国の平均額(2025年4月以降は32万円)の、どちらか低いほうで計算されます。

正確な金額は、加入している健康保険が計算してくれるので、心配しすぎなくて大丈夫です。


いつからいつまで?支給される期間

出産手当金がもらえるのは、決まった期間の中で会社を休んだ日です。

具体的には、出産予定日の42日前(6週間前)から、出産の翌日以後56日目(8週間後)までの間になります。

双子や三つ子などの多胎の場合は、産前が98日前(14週間前)からと長くなります。

この期間のうち、実際に会社を休んでお給料が出なかった日が、支給の対象です。

「予定日より出産が遅れたら、その分はどうなるの?」と心配になるかもしれません。

遅れた期間も、ちゃんと対象になるので安心してください。

たとえば予定日を5日過ぎて生まれた場合、その5日分も産前の期間に足して計算されます。

逆に予定日より早く生まれたときは、産前の日数がその分だけ短くなります。

下の早見表で、期間のイメージをつかんでおきましょう。

時期 対象になる日数 ポイント
産前 出産予定日の42日前から(多胎は98日前から) 予定日より遅れた分も足される
産後 出産の翌日から56日目まで 産後8週間はしっかり体を休める期間

産後の56日は、法律でも「働いてはいけない」と決められた大事な休養期間です。

体を回復させることを最優先に、安心して休んでください。


申請の前に用意しておくもの チェックリスト

申請には、いくつか用意しておくものがあります。

産後はバタバタするので、産休に入る前にそろえておくと安心です。

  • 健康保険出産手当金支給申請書(勤め先か健康保険の窓口、またはホームページで入手)
  • 健康保険証(またはマイナ保険証)
  • 母子健康手帳(出産日の確認に使うことがあります)
  • 振込先の口座がわかるもの(通帳やキャッシュカード)
  • 印鑑(健康保険によって必要な場合あり)

この申請書には、2つの大事な証明欄があります。

1つは、出産したことを証明する「医師・助産師の証明欄」。

これは、出産した産院で記入してもらいます。

もう1つは、休んで給与が出ていないことを証明する「事業主(会社)の証明欄」。

これは、勤め先の担当者に記入してもらいます。

どちらも自分では書けない欄なので、早めにお願いしておくのがスムーズに進めるコツです。

くわしい必要書類は加入している健康保険によってちがうので、勤め先か健康保険の窓口で必ず確認してください。


申請の流れ 5ステップ

手続きの流れを、5つのステップにまとめました。

多くの場合、会社が申請の窓口になってくれるので、あなたがすることはそれほど多くありません。

ステップ やること いつ
ステップ1 勤め先に「出産手当金を申請したい」と伝え、申請書を用意する 産休に入る前
ステップ2 出産後、産院で「医師・助産師の証明欄」を書いてもらう 出産・退院のとき
ステップ3 勤め先に「事業主の証明欄」を書いてもらう 産後56日を過ぎたころ
ステップ4 申請書を勤め先または健康保険に提出する 産後57日目以降
ステップ5 指定した口座に出産手当金がふり込まれる 申請から1〜2か月後

ポイントは、多くの場合、産休が全部終わってからまとめて申請することです。

産前分と産後分を1回にまとめて申請するのがいちばんシンプルだからです。

そのため、実際にお金がふり込まれるのは、出産からだいぶあとになります。

「出産したらすぐ入る」と思っていると、あてが外れてしまうので気をつけましょう。

入るまでの間の生活費は、別に用意しておくと安心です。


ここで損しがち 3つのNG

NG1:出産育児一時金と混同して、片方しか申請しない

「50万円もらったから、もう大丈夫」と思ってしまう人がいます。

でも、その50万円は出産費用にあてる「出産育児一時金」のこと。

産休中の生活費を支える「出産手当金」は、また別に申請しないともらえません。

名前が似ていてまぎらわしいですが、2つはまったく別のお金です。

どちらも対象なら、両方しっかり受け取りましょう。

くわしくは出産育児一時金の申請方法もあわせて読んでみてください。

NG2:申請できることを知らないまま、2年が過ぎてしまう

出産手当金には、申請できる期限があります。

お休みした日ごとに、その翌日から2年で時効になります。

「制度そのものを知らなかった」という理由で、もらいそこねる人が実はいます。

会社が自動で手続きしてくれるとはかぎらないので、自分から動くことが大切です。

産休に入る前に、勤め先に「出産手当金の申請はどう進めますか?」と一度聞いておきましょう。

NG3:退職の予定があるのに、条件を確認しないで辞めてしまう

出産や育児を機に退職を考えている人は、辞めるタイミングに注意が必要です。

じつは、退職しても条件を満たせば出産手当金を受け取れる場合があります。

ところが、辞める日や在職の期間しだいで、もらえるはずのお金がもらえなくなることも。

くわしい条件はこのあとのFAQで説明しますが、辞める前に一度確認するのが安全です。

退職後のお金の全体像は育児休業給付金のガイドも参考になります。


安心して産休に入るための5つの準備

産休中はお給料が止まるのに、手当金がいつ・いくら入るかがはっきりしません。

この「先が見えない」状態そのものが、実際の金額以上に人を不安にさせます。

心理学では、はっきりしない先ゆきを苦手に感じるこの心のはたらきを、不確実性への不耐性と呼びます(見通しが立たないほど不安が強まるという考え方)。

つまり、金額の見当と入る時期を先に知っておくだけで、心はぐっとラクになるということ。

ここでは、産休前にやっておくと安心な5つの準備を紹介します。

実践1:勤め先に申請の進め方を早めに聞く

これがいちばん大事な一歩です。

産休に入る前に「出産手当金はどう申請しますか?」と勤め先に確認しましょう。

会社がやってくれる部分と、自分でやる部分がはっきりします。

実践2:もらえるおおよその金額を計算しておく

この記事の早見表を使って、自分のお給料でだいたいいくらになるか見当をつけておきましょう。

金額のイメージがあるだけで、産休中の家計の計画が立てやすくなります。

「思ったより入る」「少し足りないかも」が、先にわかるだけで安心です。

実践3:お金が入るまでの生活費を別に用意する

出産手当金は、産休が終わってから申請するのが一般的です。

実際にふり込まれるのは、出産から数か月あとになります。

その間の生活費は、貯金などで別に用意しておくと、あわてずにすみます。

実践4:出産でもらえる他のお金も一緒に確認する

出産のときにもらえるお金は、手当金だけではありません。

出産育児一時金や、育休に入るなら育児休業給付金、生まれたあとの児童手当など、申請すればもらえるお金がいくつもあります。

まとめて把握しておくと、もらいそこねを防げます。

実践5:夫婦で「お金と手続きの担当」を決めておく

産後は、ママもパパもねぶそくでバタバタします。

だからこそ、手続きやお金の管理は「どちらが担当するか」を先に決めておくと安心です。

できればパパが担当すると、産後のママの負担がぐっと軽くなります。

夫婦の役割分担は産後のパパの役割ガイドも参考にしてみてください。


窓口・金額・期限 早見表

「結局どこに聞けばいいの?」「いつまでに申請するの?」がひと目でわかるようにまとめました。

項目 内容
対象になる人 勤め先の健康保険に本人として入って働くママ(扶養・国保は原則対象外)
もらえる金額 1日あたり お給料の平均 ÷30 ×3分の2
対象の期間 産前42日(多胎98日)+産後56日のうち、休んで給与が出なかった日
相談・申請の窓口 勤め先、または加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)
申請の期限(時効) 休んだ日ごとに、その翌日から2年
ふり込みの目安 申請から1〜2か月後

申請の窓口は、多くの場合、勤め先の担当者です。

「何から聞けばいいかわからない」ときは、この早見表を見せながら相談すれば大丈夫です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 出産手当金と出産育児一時金は、両方もらえますか?

はい、条件を満たせば両方もらえます。

出産育児一時金は出産費用にあてる原則50万円のお金です。

出産手当金は産休中の生活費を支えるお金です。

役割がちがうので、対象ならどちらも受け取れます。

Q2. パートでも出産手当金はもらえますか?

勤め先の健康保険に本人として入っていれば、パートでももらえます。

大切なのは働き方の名前ではなく、「自分の名前で健康保険に加入しているか」です。

自分がどの保険に入っているか分からないときは、勤め先に確認してみましょう。

Q3. 産休中も会社から少しお給料が出ます。もらえますか?

お給料が出産手当金より少ない場合は、その差額をもらえます。

たとえば手当金の日額が6,000円で、会社からの給与が日額2,000円なら、差額の4,000円が支給されます。

お給料が手当金と同じか多い場合は、支給されません。

Q4. 自営業やフリーランスでももらえますか?

国民健康保険に入っている自営業やフリーランスの方は、原則として対象外です。

出産手当金は、勤め先の健康保険(協会けんぽや健保組合)に入っている人向けの制度だからです。

自営業の方は、出産育児一時金など、対象になる制度をしっかり活用しましょう。

Q5. 帝王切開で入院が長引きました。産後の期間は延びますか?

出産手当金の産後の期間は、出産の翌日から56日目までで変わりません。

入院が長引いても、この56日の枠自体は延びない点に注意してください。

ただし帝王切開は健康保険の対象なので、医療費が高くなったときは医療費助成など別の制度も確認しましょう。

Q6. 出産のあとに退職します。それでももらえますか?

条件を満たせば、退職後ももらえる場合があります。

退職の日までに、その健康保険に続けて1年以上入っていることが条件です。

さらに、退職日に出産手当金をもらえる状態であること、退職日に出勤していないことも必要です。

辞めるタイミングで変わるので、退職前に勤め先の健康保険に必ず確認してください。

Q7. いつまでに申請すればいいですか?

お休みした日ごとに、その翌日から2年が期限です。

2年を過ぎると、その分は受け取れなくなります。

産休が終わって落ち着いたら、早めに申請しておきましょう。


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まとめ:今日からできる1つのこと

まず避けたい3つのNG

  • 出産育児一時金と混同して、片方しか申請しない
  • 申請できることを知らないまま、2年が過ぎてしまう
  • 退職の予定があるのに、条件を確認しないで辞めてしまう

安心して産休に入るための5つの準備

  • 勤め先に申請の進め方を早めに聞く
  • もらえるおおよその金額を計算しておく
  • お金が入るまでの生活費を別に用意する
  • 出産でもらえる他のお金も一緒に確認する
  • 夫婦で「お金と手続きの担当」を決めておく

今日からまず1つ:勤め先の担当者に「産休中に出産手当金は出ますか?申請はどう進めますか?」とひとこと聞いてみましょう。これだけで、産休中のお金の見通しがぐっと立てやすくなります。

出産手当金は、産休中のお給料の代わりになる、家計にとってとても心強いお金です。

でも、だまっていてもらえるお金ではなく、自分から申請することで初めて受け取れます。

むずかしく考えず、まずは勤め先にひとこと確認するところから始めれば大丈夫です。

出産のときにもらえるお金は出産育児一時金、産後の手続き全体は出産後の手続き一式ガイドもあわせて読んで、もらえるお金をしっかり受け取ってくださいね。

※この記事は2026年8月時点の情報をもとにしています。金額や制度の内容、必要書類は年度や加入している健康保険によって変わることがあります。申請の前に、勤め先の健康保険またはお住まいの市区町村の窓口で必ず最新の情報を確認してください。

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