「ゲームで負けたとたん、大泣き」「かけっこでビリになって、その場で怒って動かない」。
そんなわが子の姿に、どう声をかけたらいいか困っていませんか。
負けず嫌いで負けを認められない子は、けっして「わがまま」なのではありません。
「勝ちたい」「上手になりたい」という前向きな気持ちが、まだ外に出すのが上手じゃないだけなんです。
この記事では、子どもが負けると泣く・怒る理由から、年齢別の関わり方、やってはいけないNG、すぐ使える声かけ例、負けを受け止める力を育てる5つのコツまで、わかりやすくまとめました。
保育園のお迎え帰りに疲れた頭でも読めるように、むずかしい言葉はできるだけ使わずに書いています。
「うちの子だけが負けず嫌いなのかな」と、心配になることもありますよね。
でも、ゲームやかけっこで負けて泣く子は、本当にたくさんいます。
決して、育て方が悪かったわけではありません。
読み終わるころには、「悔しくて泣く」わが子に、どっしり構えて向き合えるようになりますよ。
あわせて読みたい関連シリーズ3本
- 負けて泣く・怒るが激しいときは 子どものかんしゃくへの対応
- きょうだいの勝負でもめるなら きょうだいげんかの対応・仲裁のしかた
- 負けた気持ちを引きずるなら 子どもの気持ちの切り替えが苦手なとき
負けると泣く・怒るのはなぜ?3つの理由

まず、わが子が負けて荒れるのは、心が育っている途中のサインだと知ってください。
理由がわかると、親の気持ちもぐっとラクになります。
理由1:「できる自分」が大好きだから
小さな子にとって、勝つことは「すごい自分」の証明です。
だから負けると、「自分がダメなんだ」と感じてしまうことがあります。
つまり、負けを認められないのは、自分を大切に思う気持ちの裏返しなんです。
この気持ち自体は、とても大事な成長の芽です。
理由2:悔しい気持ちの出し方をまだ知らない
「悔しい」というのは、大人でも苦しい感情です。
子どもはその気持ちを言葉にする力がまだ育っていません。
だから、言葉より先に涙や怒りになって出てしまいます。
これは心理学で「感情の調整が育つ途中」と呼ばれています(気持ちを上手にあつかう力が、少しずつ育っていくという考え方です)。
理由3:「今・ここ」で頭がいっぱいだから
大人は「今日負けても、次がんばればいい」と考えられます。
でも子どもは、先の見通しを立てる力がまだ弱いんです。
だから「今、負けた」という事実だけで、頭がいっぱいになります。
「次がある」と想像するのが、まだむずかしいということですね。
ここが核心です
負けず嫌いは、消さなくていい気持ちです。
大切なのは、悔しさの出し方と「負けても大丈夫」という安心を、親子で一緒に育てること。
勝ちへのエネルギーは、そのまま「がんばる力」に変わっていきます。
負けず嫌いは短所じゃない|裏返すと見える3つの強み

「うちの子、負けず嫌いで困る」と悩む親御さんはとても多いです。
でも、少し見方を変えると、それは大きな強みの芽でもあります。
叱って消してしまうのは、もったいないんです。
強み1:向上心がある
負けて悔しがるのは、「もっと上手になりたい」という気持ちがあるからです。
この気持ちは、勉強でもスポーツでも、伸びる原動力になります。
「くやしい」を「がんばる」に変える手伝いをしてあげれば、大きな力になります。
強み2:物事に本気で取り組める
勝ち負けにこだわる子は、何事にも手を抜かず本気で向き合えます。
適当に流さず、真剣になれるのは立派な才能です。
その本気さを、親がまず認めてあげてください。
強み3:自分の気持ちに正直
悔しさを隠さずに出せるのは、心が元気な証拠でもあります。
気持ちをためこまず表に出せる子は、あとで切り替える力も育ちやすいです。
「泣く」「怒る」も、今はまだ大切な気持ちの出口なんですね。
見方の切り替え:「負けず嫌いで困る子」ではなく、「本気になれる子」「伸びたい子」。この視点を持つだけで、親の声かけは自然とやさしくなります。
親がやりがちな3つのNG

よかれと思ってかけた言葉が、逆に悔しさをこじらせることがあります。
まずはこの3つを、そっと手放してみてください。
NG1:「そんなことで泣かないの」と悔しさを打ち消す
泣いている子に「それくらいで」と言うと、気持ちの行き場がなくなります。
悔しさは、本人にとっては本物の大ピンチです。
まずは「悔しかったね」と受け止めるほうが、ずっと早く落ち着きます。
NG2:勝った結果だけをほめる
「勝ってえらい!」「一番ですごい!」ばかりだと、子どもはこう覚えます。
「勝つ自分はいい子、負ける自分はダメな子」。
すると、負けることがどんどん怖くなってしまいます。
ほめる場所を、結果からがんばりに移すだけで、子どもはラクになります。
NG3:きょうだいや友達と比べる・あおる
「お兄ちゃんは泣かないよ」「○○くんに負けていいの?」はぐっとこらえましょう。
比べられると、悔しさに「はずかしさ」が重なって、もっと苦しくなります。
勝ち負けをあおる言葉も、プレッシャーになるので控えめにしてくださいね。
負けを受け止める力を育てる5つのコツ

ここからは、今日から試せる具体的な関わり方です。
全部を完ぺきにやろうとしなくて大丈夫。
まずは1つ、できそうなものから始めてみてください。
コツ1:まず悔しい気持ちを言葉にして受け止める
泣いている子には、気持ちの代弁から始めます。
「悔しかったね。勝ちたかったんだよね」。
こう言うだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じて落ち着いていきます。
アドバイスや説教は、落ち着いたあとで十分です。
コツ2:結果より「挑戦・工夫・がんばり」をほめる
勝ち負けではなく、過程に目を向けてほめましょう。
「最後まであきらめなかったね」「新しいやり方を考えたね」。
すると子どもは、「負けても自分のがんばりは消えない」と感じられます。
これは「挑戦する気持ち」を育てる、とても効く声かけです。
コツ3:家族で「負けても楽しい遊び」を日常にする
すごろくやカードゲームなど、運で勝ち負けが決まる遊びがおすすめです。
実力だけでは決まらないので、負けても「運だったね」と受け止めやすくなります。
おうちの中で、安全に負ける練習をたくさん積めるということですね。
負けても笑って終われた経験が、心の体力になります。
はじめは短い時間で、1回勝負からでかまいません。
慣れてきたら、少しずつ回数をふやしていきましょう。
コツ4:親も負けて、見本を見せる
親がわざと勝たせ続けると、本当の負けに弱い子になります。
ときには本気で勝負して、親が負けたときの姿を見せましょう。
「あー負けた!悔しい!でも楽しかったね」。
この一言が、悔しさとの付き合い方のお手本になります。
コツ5:勝ち負けのない遊びも混ぜる
いつも勝負だと、子どもの心は休まりません。
お絵かき、積み木、ごっこ遊び、親子での協力ゲームもたっぷり入れてください。
勝ち負けのない時間で「できた!」を積むと、自信の土台ができます。
その土台があると、負けても大きく崩れにくくなります。
年齢別・負けたときの関わり方早見表
負け方も、ちょうどいい声かけも、年齢で変わります。
わが子の今に近いところを見てくださいね。

📱 この早見表は画像として保存できます。画像を長押し →「写真に保存」(iPhone・Androidどちらも同じ)で、いつでもサッと見返せます。
表のとおり、小さいうちは「気持ちの代弁」が中心です。
大きくなるにつれて、「次にどうするか」を一緒に考える関わりに変えていきましょう。
場面別・そのまま使える声かけ

ゲーム・カードで負けたとき
まずは気持ちを受け止めます。
「悔しかったね。あと少しだったね」。
落ち着いたら、「次はどの作戦でいく?」と前向きに切り替えます。
勝った子には「勝ってうれしいね。でも相手も一生けんめいだったね」と、相手への気持ちも添えると育ちます。
かけっこ・運動会でビリだったとき
順位よりも、走りきったことに目を向けます。
「最後まで走ったね。かっこよかったよ」。
悔しがっていたら、「悔しいのは、がんばった証拠だよ」と伝えてあげてください。
その悔しさが、次への力になります。
きょうだい・友達との勝負でもめたとき
勝った子だけをほめると、負けた子はもっと傷つきます。
「二人とも最後までがんばったね」と、両方のがんばりを認めましょう。
くわしい仲裁のコツは きょうだいげんかの対応・仲裁のしかた も参考にしてください。
パパの出番|体を使った「負けても笑える」経験

パパは、体を使った勝負遊びが得意なことが多いですよね。
すもう、追いかけっこ、腕ずもうなどは、負けても笑って終わりやすい遊びです。
ポイントは、いつも勝たせないこと。
本気を7割くらいにして、勝ったり負けたりを混ぜるのがちょうどいいです。
そして、パパ自身が負けたとき。
「あー負けた!くやしい!」と大げさに悔しがって、すぐ「でも楽しかった!」と切り替えてみせてください。
その姿が、子どもにとって一番わかりやすいお手本になります。
平日は忙しくて関われないパパも、休みの日に15分だけ本気で遊ぶだけで十分です。
短い時間でも、「パパと勝負するの楽しい」という記憶が、子どもの心に残ります。
ママとパパで関わり方をそろえておくと、子どもはもっと安心できますよ。
タイプ別|わが子はどのタイプ?見分け方と関わり方
ひとくちに負けず嫌いと言っても、出方は子どもによってちがいます。
タイプがわかると、ぴったりの関わり方が見えてきます。
タイプA:勝ちに強くこだわるタイプ
勝つまでやめない、ずるをしてでも勝ちたがる、そんなタイプです。
この子には、「勝ち負け以外の楽しさ」を一緒に見つけてあげましょう。
「どっちが勝っても、一緒に遊べて楽しいね」と伝え続けてください。
勝ち負けが世界のすべてではない、と少しずつ気づいていけます。
タイプB:負けるとすぐあきらめるタイプ
負けそうになると、途中で投げ出してしまうタイプです。
この子には、「できたところ」を細かく見つけてほめるのが効きます。
「ここまで進めたね」「さっきより上手だね」と、小さな一歩を言葉にします。
結果より過程を見てもらえると、最後までやりきる力が育ちます。
タイプC:人と比べて落ち込むタイプ
「○○くんのほうがすごい」と、友達と比べて自信をなくすタイプです。
この子には、「昨日のあなた」と比べる声かけをしてあげてください。
「前はできなかったのに、今はできてるね」と、本人の成長に目を向けます。
比べる相手を他人から自分に変えると、心がぐっとラクになります。
おうちでできる「気持ちの切り替え」練習
負けたあとにすぐ立ち直る力は、日々の小さな練習で育ちます。
特別なことは必要ありません。
遊びの中で、無理なく積み重ねていきましょう。
ステップ1:深呼吸を一緒にする
悔しくて体がかたくなったら、まず一緒に深呼吸をします。
「鼻からすって、口からふーっ」と、親がやって見せてください。
体がゆるむと、気持ちも少しずつ落ち着いてきます。
ステップ2:「くやしい」を声に出す
悔しい気持ちは、がまんさせずに言葉にさせましょう。
「くやしー!って言っていいよ」と、出口を作ってあげます。
気持ちに名前をつけるだけで、心は整理されていきます。
ステップ3:「次どうする?」を一緒に考える
落ち着いたら、次の作戦を一緒に考えます。
「次はどうやったら勝てそう?」と、前向きな問いかけをしてください。
悔しさを、次への行動に変えていく練習になります。
この3ステップを、遊びのたびにくり返すだけで大丈夫です。
何度もやるうちに、子どもは自分で切り替えられるようになっていきます。
負けを受け止める力が育つと、手に入るもの
「負けても大丈夫」と思える力は、一生の宝物になります。
具体的に、どんな力につながるのか見てみましょう。
まず、失敗を怖がらずに挑戦できるようになります。
うまくいかなくても、「また試せばいい」と思えるからです。
次に、友達との関係がスムーズになります。
勝ち負けにこだわりすぎないと、遊びの中でぶつかることが減るからです。
そして、気持ちを立て直す力が身につきます。
これは、大きくなってからの困難を乗りこえる土台になります。
今の「負けて泣く」は、その力を育てている真っ最中なんです。
だから、親はどっしり構えて見守って大丈夫ですよ。
園や学校でのこと|先生と共有したいこと
家だけでなく、園や学校でも勝ち負けの場面はたくさんあります。
気になるときは、先生と様子を共有しておくと安心です。
「負けると気持ちが切り替えにくいようです」と、ひとこと伝えておきましょう。
家でどんな声かけをしているかも、あわせて伝えると連携しやすくなります。
園での様子を聞くと、家では見えない一面がわかることもあります。
「お友達には意外とやさしく譲れていますよ」など、うれしい発見もあるものです。
家と園で関わり方がそろうと、子どもはより落ち着いて過ごせます。
親の気持ちが折れそうなときは
毎回の大泣きや怒りに、親のほうが疲れてしまう日もありますよね。
そんなときは、無理に完ぺきな対応をしようとしなくて大丈夫です。
「今日は受け止めきれなかった」と思っても、自分を責めないでください。
親もひとりの人間なので、イライラするのは当たり前のことです。
少し離れて深呼吸したり、もう一人の大人に代わってもらったりしていいんです。
大切なのは、毎回ではなく「ときどき」うまく受け止められること。
それだけで、子どもの心はちゃんと育っていきます。
親が笑顔でいられることが、何よりの土台だということも忘れないでくださいね。
「負けたくない」が強すぎて、挑戦を避ける子へ
負けず嫌いが強いと、「負けるくらいなら、やらない」という方向に向かう子もいます。
新しいことをすすめても、「どうせできないから」と避けてしまうんですね。
これは、負けることが怖くて、心を守ろうとしているサインです。
こんなときは、「勝ち負け」のない場面から始めてあげましょう。
うまい・へたを気にしなくていい遊びで、まず「やってみて楽しい」を感じさせます。
そして、できた部分だけをしっかり言葉にしてあげてください。
「やってみたこと自体がえらいよ」と、挑戦したことをほめるのも効果的です。
結果ではなく、一歩ふみ出したこと。
そこを認め続けると、少しずつ「負けてもいいから、やってみよう」に変わっていきます。
きょうだいがいる家庭で気をつけたいこと
きょうだいがいると、どうしても勝ち負けの場面が増えます。
年齢差があると、下の子はいつも負けて悔しい思いをしがちです。
そんなときは、ハンデをつけて勝負を調整してあげましょう。
「下の子は半分の場所からスタート」など、工夫しだいで差はうめられます。
また、上の子に「勝ってあたりまえ」とは言わないであげてください。
上の子なりに、勝ちたい気持ちで本気になっています。
「二人とも本気だったね」と、どちらのがんばりも同じように認めるのが大切です。
勝った子も負けた子も、どちらも大事にされていると感じられるように関わりましょう。
そのまま使える|NG→OK言いかえ集
とっさの一言は、なかなか切り替えがむずかしいですよね。
よく言いがちな言葉を、OKの言い方に置きかえてみました。
冷蔵庫に貼っておくくらいの気持ちで、気楽に使ってください。
負けて泣いている場面
NG「泣かないの、男の子でしょ」。
OK「悔しかったね。涙が出るくらい、本気だったんだね」。
悔しさを認める言葉に変えるだけで、落ち着くのが早くなります。
勝ちにこだわってもめている場面
NG「そんなに勝ちたいなら、もうやめなさい」。
OK「勝ちたいよね。じゃあ、どうやったら次は勝てそう?」。
気持ちを認めてから、前向きな問いかけにつなげます。
ほめるとき
NG「一番になれてえらい!」。
OK「最後までがんばったのがかっこよかったよ」。
結果ではなく、過程をほめる言葉に置きかえましょう。
やる気をなくしている場面
NG「どうせできないって、やる前から言わないの」。
OK「少しだけやってみようか。できたところを見せて」。
ハードルを下げて、小さな一歩をうながします。
勝ち負けの遊びの選び方|年齢別おすすめ
負ける練習は、遊びの種類を選ぶとぐっとやりやすくなります。
年齢に合った遊びで、無理なく慣れていきましょう。
3〜4歳:運で決まる遊びから
この年齢には、すごろくやカード合わせなど、運で勝ち負けが決まる遊びがぴったりです。
実力で差がつきにくいので、負けても受け止めやすくなります。
「サイコロの出た目しだいだね」と、運のせいにできるのもいいところです。
5〜6歳:かんたんなルールのゲーム
この年齢になると、少しルールのあるカードゲームも楽しめます。
勝つための工夫を考えられるようになり、負けても「次は作戦を変えよう」と思えます。
家族みんなで同じルールで遊ぶと、公平感があって落ち着きます。
小学生:頭を使うゲームや体を動かす勝負
小学生には、頭を使うボードゲームや、体を動かす勝負遊びがおすすめです。
勝ち負けがはっきりする分、悔しさとの付き合い方を学ぶいい機会になります。
勝っても負けても「楽しかった」と言い合える雰囲気を、親が作ってあげてください。
わが家で効果があった、3つの小さな工夫
最後に、肩の力をぬいて試せる工夫を3つ紹介します。
どれもお金がかからず、今日から始められるものばかりです。
工夫1:「負けてもハイタッチ」を合言葉に
勝っても負けても、最後は必ずハイタッチで終わる。
これを家族のお約束にすると、負けた瞬間の切り替えがしやすくなります。
体を動かす動作が入ると、気持ちも自然と切りかわるんですね。
工夫2:親が「悔しい!」を先に言う
親が負けたとき、子どもより先に「あー悔しい!」と大きな声で言ってみてください。
悔しがっていいんだ、と子どもが安心します。
そのあとすぐ笑顔に戻せば、切り替えの見本にもなります。
工夫3:勝ち負けのない「協力ゲーム」を1つ用意
みんなで力を合わせてゴールを目指す協力型の遊びを、1つ用意しておきましょう。
勝ち負けに疲れた日は、こちらで気分を変えられます。
「みんなで勝った!」の経験は、心をあたためてくれます。
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勝ち負けを家族で楽しく経験できる、わが家で実際に使ってよかった遊び道具です👇
・わくわくすいぞくかん すごろく
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・ギガミック カタミノ(木のパズル)
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負けを受け入れる心は、こうして育っていく
「いつになったら落ち着くの?」と、先が見えなくて不安になりますよね。
でも、負けを受け入れる心は、ちゃんと順番を追って育っていきます。
最初の段階では、悔しくて泣く・怒るしかできません。
ここで親が「悔しかったね」と受け止めることが、すべてのスタートです。
次の段階では、泣きながらも「もう1回」と言えるようになります。
悔しさを、やり直す力に変え始めたサインです。
さらに進むと、「負けちゃった、でも楽しかった」と言えるようになります。
勝ち負けだけでなく、遊びそのものを楽しめるようになった証拠です。
最後には、「次はこうしてみよう」と自分で切り替えられるようになります。
この階段を、子どもは行ったり来たりしながらのぼっていきます。
今日うまくいかなくても、心配いりません。
親のあたたかい受け止めが、確実に次の一段へ押し上げてくれますよ。
よくある質問
Q1. わざと負けてあげた方がいいですか?
ときどきならOKですが、毎回はおすすめしません。
勝つ喜びも、負ける悔しさも、どちらも大事な経験だからです。
勝ちと負けを両方味わえるように、バランスをとってあげてください。
Q2. 負けるとゲームを投げたり壊したりします
まずは、周りの安全を確保してください。
落ち着いてから、「悔しかったんだよね」と気持ちを言葉にします。
「物に当たるのはなしね」というルールは、おだやかに、でもはっきり伝えましょう。
Q3. ずるをして勝とうとします
ずるも、「勝ちたい」という気持ちの強さの表れです。
強く叱るより、「ルールを守って勝つと、もっと気持ちいいよ」と伝えてみてください。
正々堂々の気持ちよさは、くり返すうちに少しずつ伝わっていきます。
Q4. 何歳から勝ち負けが分かりますか?
3歳ごろから、だんだん勝ち負けを意識し始めます。
それより前は、無理に勝ち負けを教えなくて大丈夫です。
まずは「できた!」の喜びをたくさん味わわせてあげてください。
Q5. 運動会や発表会で一番になれず荒れます
結果ではなく、そこまでの過程に目を向けてあげましょう。
「毎日練習したね」「最後までやりきったね」と伝えてください。
悔しがれるのは、本気でがんばった証拠でもあります。
Q6. 親が勝つと泣くので、つい手加減ばかりしてしまいます
手加減だけだと、本当の負けに弱くなってしまいます。
ときには本気で勝って、負けたわが子と一緒に悔しがってください。
「悔しいね、でも次がある」と、切り替えの見本を見せるチャンスです。
Q7. この負けず嫌いは、いつまで続きますか?
気持ちを上手にあつかう力は、小学校の中学年ごろにぐっと育ちます。
そのころには、落ち着いてくる子が多いです。
もちろん個人差があるので、わが子のペースで見守ってあげてくださいね。
Q8. 下の子に勝たせると、上の子がすねます
上の子の気持ちも、同じように大切にしてあげてください。
「お兄ちゃんも、勝ちたかったよね」と、まず悔しさを認めます。
そのうえで、「下の子に教えてあげられてすごいね」と、別の形で活やくを認めるのもおすすめです。
Q9. 負けを受け入れられないのは、発達の問題でしょうか?
多くの場合は、成長の途中でよく見られる姿なので心配いりません。
ただ、日常生活に大きな支障が出ていると感じるときもありますよね。
そのときは、園の先生やかかりつけの小児科に、気軽に相談してみてください。
親の関わりで、いちばん大切なこと
いろいろなコツを紹介してきましたが、根っこはひとつです。
それは、「負けても、あなたのことが大好きだよ」が伝わっていること。
勝っても負けても、親の愛情は変わらない。
これが心の底に届いていると、子どもは負けても自分を嫌いになりません。
だからこそ、勝ったときだけでなく、負けたときこそ、そっと寄りそってあげてください。
「よくがんばったね」「一緒にいられて楽しかったよ」。
そんな言葉を、負けた日ほどかけてあげてほしいんです。
テクニックよりも、この安心感が、負けを受け止める力のいちばんの土台になります。
今日も子育て、本当におつかれさまです。
まとめ:今日からできる1つだけ
まず手放したいNG3つ
- 「そんなことで泣かないの」と悔しさを打ち消す
- 勝った結果だけをほめる
- きょうだいや友達と比べる・あおる
負けを受け止める力を育てる5つのコツ
- まず悔しい気持ちを言葉にして受け止める
- 結果より挑戦・工夫・がんばりをほめる
- 家族で「負けても楽しい遊び」を日常にする
- 親も負けて、見本を見せる
- 勝ち負けのない遊びも混ぜる
今日からまず1つ:次にわが子が負けて泣いたら、「悔しかったね。勝ちたかったね」とだけ言ってみてください。アドバイスはそのあとで大丈夫。それだけで、子どもの気持ちはすっと軽くなりますよ。
負けず嫌いは、心が前を向いている証拠です。
その気持ちを消そうとせず、悔しさの出し方と「負けても大丈夫」を、親子でゆっくり育てていきましょう。
焦らなくて大丈夫です。
今日の小さな受け止めが、1年後には大きなちがいになっていますよ。
感情がたかぶって手がつけられないときは 子どものかんしゃくへの対応 を、負けを引きずって切り替えられないときは 子どもの気持ちの切り替えが苦手なとき も合わせて読んでみてください。