「ちょっとトイレに行くだけ」——それだけで大泣き。
キッチンに立てば足元にしがみつき、料理も家事も進まない。
そんな「後追い」に、へとへとになっていませんか。
この記事は、赤ちゃんや幼児の後追いに悩むパパ・ママのためのガイドです。
後追いがなぜ起きるのか、いつからいつまで続くのか、そして今日からできる対応までを、やさしい言葉でまとめました。
「うちの子だけひどいのかな」と不安な方も、読み終わるころには少し肩の力が抜けるはずです。
後追いは、月齢や年齢によって様子が変わります。
年齢別の早見表ものせているので、今のわが子の時期を確認しながら読んでみてください。
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そもそも、なぜ後追いは起きるの?

後追いは、赤ちゃんが困った子だから起きるのではありません。
むしろ、心がすくすく育っている証拠です。
生まれてしばらくの赤ちゃんは、目の前から人が消えると「もういない」と感じてしまいます。
だから、パパやママが見えなくなると不安でいっぱいになるのです。
やがて成長すると「見えなくても、ママはちゃんとどこかにいる」と分かるようになります。
この「見えなくてもいる」が分かりかけの時期に、後追いはいちばん強く出ます。
つまり「いなくなったら困る」と気づけるほど、頭が育ったということです。
心理学では、これを対象の永続性(たいしょうのえいぞくせい)と呼びます。
ピアジェという研究者が考えた、赤ちゃんの心の育ち方の一つです。
むずかしく言うと大変ですが、要は「ママは消えたわけじゃないと分かってきた」ということ。
もう一つの理由は、パパ・ママが赤ちゃんにとって「安心のよりどころ」になっているからです。
不安なとき、いちばん安心できる人のそばに戻りたくなる。
それはとても自然で、健やかな気持ちの動きです。
後追いは、夕方や疲れているとき、眠いときに強く出やすくなります。
体力や気持ちに余裕がないと、赤ちゃんも不安を感じやすいからです。
また、引っ越しや生活の変化があったときも、一時的に強くなることがあります。
そんなときは「今は不安なんだな」と受け止めて、いつもより多めに抱っこしてあげてください。
一時的に強くなっても、環境に慣れればまた落ち着いていきます。
核心:後追いは「困った行動」ではなく「心が育ったサイン」です。無理にやめさせるより、安心を積み重ねるほうが、結果的に早く落ち着いていきます。
後追い対応でやりがちな3つのNG

よかれと思ってやったことが、逆に後追いを長引かせることがあります。
まずは「やらないほうがいいこと」から見ていきましょう。
NG1:こっそり黙って消える
泣かせたくなくて、そっと部屋を出ていませんか。
気持ちはとてもよく分かります。
でも、赤ちゃんからすると「気づいたらママがいない」となります。
これがくり返されると「目を離すと消えてしまう」と感じてしまいます。
すると、よけいにピッタリくっついて離れなくなります。
少し泣いても「いってくるね」と声をかけてから離れるほうが、長い目で見ると安心につながります。
NG2:「もう大きいでしょ」と突き放す
後追いが続くと、つい「いいかげんにして」と言いたくなります。
疲れているときは、なおさらです。
でも、後追いはわがままではなく、不安からくる行動です。
強く突き放されると、赤ちゃんは「もっと不安」になります。
不安が増えると、後追いはさらに強くなってしまいます。
まずは「そばにいたかったんだね」と気持ちを言葉にしてあげてください。
気持ちが満たされた子のほうが、あとで自分から離れていけます。
NG3:ほかの子と比べてあせる
「あの子はもう平気なのに、うちだけ…」とあせっていませんか。
後追いの強さや続く長さは、子どもによって本当にさまざまです。
ほとんど後追いしない子もいれば、1年以上続く子もいます。
どちらもふつうのことで、育て方のせいではありません。
比べてあせると、その気持ちは赤ちゃんにも伝わります。
くわしくは人見知りと場所見知りへの対応ガイドも参考になりますよ。
今日からできる5つの後追い対応

ここからは、家事や仕事と両立しながらできる対応を5つ紹介します。
どれも「安心を積み重ねる」がねらいです。
対応1:離れるときは必ず声をかける
トイレやキッチンに行くときも、だまって消えないのがコツです。
「トイレ行ってくるね、すぐ戻るよ」と一言かけてください。
最初は泣くかもしれません。
それでも「言ってから離れる」をくり返すと、赤ちゃんは少しずつ慣れていきます。
「ママは行っても、ちゃんと戻ってくる」と体で覚えていくのです。
対応2:「いってきます」と「ただいま」をセットにする
離れるときと戻るときの合言葉を決めておくと、見通しが持てます。
「いってきます」で離れて、「ただいま」で必ず戻る。
この形がくり返されると、赤ちゃんは「戻ってくる」と予想できるようになります。
先の見通しが立つと、人は不安が小さくなります。
大人でも、いつ終わるか分からない待ち時間はつらいですよね。
それと同じで、赤ちゃんも「戻ってくる」と分かれば待てるようになります。
対応3:お気に入りのものを味方にする
いつものタオルやぬいぐるみを、そばに置いてあげてください。
お気に入りのものは、赤ちゃんにとって「小さな安心」になります。
ママの代わりにはなりませんが、不安をやわらげる助けになります。
外出のときも、そのお気に入りを一つ持っていくと安心につながります。
ただし、なくすと大泣きになりやすいので、同じものを予備で用意しておくと安心です。
寝かしつけのときにも役立つので、寝かしつけのコツ完全ガイドもあわせてどうぞ。
対応4:安全な場所で「見える家事」をする
後追いがつらいのは、家事のあいだ泣かれてしまうからですよね。
そんなときは、赤ちゃんから顔が見える場所で家事をしてみてください。
ベビーサークルやマットで安全な場所を作り、その近くで作業します。
「姿が見える」だけで、赤ちゃんは意外と落ち着くものです。
抱っこひもやおんぶで、くっつきながら家事をするのも一つの手です。
おんぶなら両手が空くので、料理も少し進みます。
それでも泣いてしまう日は、火を使わない献立に切りかえても大丈夫です。
この時期は「ちゃんとした料理」を無理に目指さなくていいのです。
対応5:短い「一人遊び」を少しずつ増やす
最初は10秒でも、一人で遊べたらたくさんほめてあげてください。
「一人で遊べたね、すごい」と声をかけます。
成功したら、次は20秒、30秒と少しずつのばしていきます。
いきなり長く離れるのではなく、小さな成功を積み重ねるのがコツです。
夜泣きで疲れがたまっている時期は無理をしないでください。
つらいときは夜泣き対応・月齢別完全ガイドも見て、まず大人が休むことを優先しましょう。
年齢別 後追い早見表
後追いの様子は、月齢や年齢によって変わっていきます。
下の表で、今のわが子の時期と対応のポイントを確認してみてください。
| 時期 | 後追いの様子 | 背景にあるもの | 対応のポイント |
|---|---|---|---|
| 6〜9か月ごろ | 後追いが始まる。姿が見えないと泣く | 「見えない=いない」と感じる時期 | だまって消えず、声をかけてから離れる |
| 9か月〜1歳ごろ | いちばん強い時期。トイレにもついてくる | 「ママはいる」と分かりかけの真っ最中 | いってきます・ただいまをセットにする |
| 1歳〜1歳半ごろ | まだ続くが、少しずつ待てる場面も出る | 安心できると自分から離れ始める | 短い一人遊びをほめて増やす |
| 1歳半〜2歳ごろ | だんだん落ち着く。戻ってくると分かる | 見通しが持てるようになる | 約束を守り「戻ってきたよ」を続ける |
| 2〜3歳ごろ | ほとんど落ち着く。不安なときだけ戻る | 安心のよりどころが心の中にできる | 甘えたいサインは受け止めてあげる |
あくまで目安なので、前後してもまったく心配いりません。
この通りに進まなくても、それがわが子のペースです。
よくある質問
Q1. 後追いはいつからいつまで続きますか?
多くの子で、生後6〜9か月ごろに始まります。
1歳前後がいちばん強く、1歳半〜2歳ごろに落ち着くことが多いです。
ただし個人差が大きく、2〜3歳まで続く子もいます。
長く続いても、それだけで心配する必要はありません。
Q2. 後追いがまったくないと問題ですか?
後追いがほとんどない子もいて、それも一つの個性です。
後追いの有無だけで、発達に問題があるとは言えません。
目が合う・笑い合う・名前に反応するなど、ほかのやりとりがあれば大丈夫なことが多いです。
気になることがあれば、健診のときに相談してみてください。
Q3. トイレにもついてきて一人になれません。どうすれば?
安全な場所なら、思いきってドアを開けたまま連れて行くのも一つです。
「ここで待っててね、すぐ終わるよ」と声をかけましょう。
見える・声が聞こえるだけで、赤ちゃんは少し安心します。
今だけの時期と割りきって、乗りきってしまうのも大切です。
Q4. 後追いがひどくて家事がまったくできません。
この時期は「家事が進まなくて当たり前」と考えてください。
おんぶや抱っこで一緒に動く、時短家電を使うなど、頼れるものは頼りましょう。
完ぺきを目指さず「今日はここまででOK」と自分に合格点を出してください。
掃除や片づけは、後追いが落ち着いてからでも十分間に合います。
今は「赤ちゃんの安心を育てる時間」と考えると、少し気持ちが楽になります。
後追いは一生続くものではありません。
Q5. パパには後追いせず、ママにばかり後追いします。
いちばん長く一緒にいる人に後追いが出やすいだけで、パパが嫌いなわけではありません。
パパと二人で過ごす時間を少しずつ増やすと、安心できる相手が広がります。
ママが一人で抱え込まないことが、家族みんなの余裕につながります。
産後のパパの役割ガイドもあわせて読んでみてください。
Q6. 後追いのときに泣かせっぱなしはよくないですか?
少しの間泣くこと自体は、悪いことではありません。
大切なのは、そのあとで必ず戻って安心させてあげることです。
「泣いても戻ってきてくれる」という経験が、次の安心につながります。
ただし大人が限界のときは、無理せず頼れる人や場所に頼ってください。
Q7. 保育園に預けるとき、後追いで泣かれてつらいです。
別れぎわに泣くのは、預け先が悪いからではありません。
「いってきます」を短くはっきり伝えて、さっと離れるほうが切り替えやすいです。
多くの子は、パパ・ママが見えなくなると数分で泣きやみます。
お迎えのときに「ちゃんと戻ってきたよ」と伝えることが、次の日の安心になります。
先生に園での様子を聞いて、落ち着いていれば心配いりません。
別れぎわの涙は、パパ・ママを信頼している証拠でもあります。
後追いがつらいとき、パパ・ママ自身を守る方法

後追いの対応は、じつは大人の心と体をとても消耗させます。
トイレにも一人で行けず、家事も進まず、気持ちがすり減りますよね。
だからこそ、子どもへの対応と同じくらい、自分をいたわることが大切です。
「今だけ」と時期を区切って考える
後追いがいちばん強いのは、長くても数か月ほどです。
ずっと続くように感じても、必ず終わりがきます。
「あと少しの辛抱」と思えるだけで、気持ちは少し軽くなります。
カレンダーに「今は後追い期」と書いておくのもおすすめです。
一人で抱え込まず、役割を分け合う
後追いをママ一人が受け止め続けると、心がパンクしてしまいます。
パパも積極的に抱っこや遊びを引き受けて、安心できる相手を増やしましょう。
安心できる人が二人いれば、赤ちゃんの不安もやわらぎます。
祖父母や一時保育など、周りの手を借りるのも立派な選択です。
「家事は後回しでいい」と自分に許可を出す
後追い期に家が散らかるのは、当たり前のことです。
「できなかった」ではなく「今日は子どもに向き合えた」と考えてみてください。
時短家電や宅配、レトルトも、どんどん頼っていいのです。
大人が笑顔でいることが、赤ちゃんにとっていちばんの安心になります。
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まとめ:今日からまず1つだけ
後追いは、赤ちゃんの心が育っているサインです。
無理にやめさせるより、安心を積み重ねるほうが早く落ち着きます。
まず避けたい3つのNG
- こっそり黙って消える
- 「もう大きいでしょ」と突き放す
- ほかの子と比べてあせる
今日からできる5つの対応
- 離れるときは必ず声をかける
- 「いってきます」と「ただいま」をセットにする
- お気に入りのものを味方にする
- 安全な場所で「見える家事」をする
- 短い一人遊びを少しずつ増やす
今日からまず1つ:トイレに立つときも、だまって消えず「すぐ戻るね」と一言かけることから始めてみてください。
後追いでへとへとの毎日かもしれません。
でも、この時期は必ず終わります。
「こんなに追いかけてくれたな」と、いつか懐かしく思える日がきます。
今はどうか、自分のこともいたわりながら、この時期を乗りきってくださいね。
関連する夜泣き対応ガイドや人見知りへの対応ガイドも、きっと力になります。
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