「高校の授業料って、実際いくらかかるんだろう」。
「無償化って聞くけど、うちも対象なのかな」。
お子さんの進学が近づくと、こんな不安がふっと頭をよぎりますよね。
結論からお伝えします。
2026年4月から、高校の授業料を助けてくれる「高等学校等就学支援金(こうとうがっこうとうしゅうがくしえんきん)」は、所得制限がなくなりました。
つまり、収入の多い・少ないに関係なく、ほとんどのご家庭が授業料の支援を受けられるようになったのです。
ただし、この支援金には大事な落とし穴があります。
それは「自動ではもらえない。自分で申請しないと1円も入らない」ということ。
この記事では、高等学校等就学支援金とは何かから、いくらもらえるのか、いつ・どうやって申請するのかまで、むずかしい言葉を使わずに、順番にやさしく解説します。
読み終わるころには、「わが家は何をすればいいか」がハッキリ分かるようになりますよ。
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そもそも「高等学校等就学支援金」ってなに?

高等学校等就学支援金は、高校に通うお子さんの授業料を、国が代わりに払ってくれる制度です。
むずかしく言うと「授業料に充てるためのお金を、国が支援する仕組み」です。
つまり、家計から出す授業料の負担を、ぐっと軽くしてくれるものと考えてください。
対象になるのは、日本国内に住んでいて、高校などに通う生徒です。
公立高校だけでなく、私立高校、高等専門学校(1〜3年)、専修学校の高等課程なども対象になります。
全日制だけでなく、定時制や通信制の高校も対象です。
💡 いちばん大事なポイント
このお金は、あなたの銀行口座に振り込まれるわけではありません。
国から学校に直接支払われて、授業料に充てられる仕組みです。
だから「お金をもらう」というより、「授業料が安くなる(またはゼロになる)」とイメージすると分かりやすいですよ。
「無償化」という言葉との関係は?
ニュースでよく聞く「高校無償化」という言葉。
これは、この就学支援金が手厚くなって、多くの家庭で授業料の負担が実質ゼロに近づくことを、分かりやすく言いかえたものです。
制度の正式な名前は、あくまで「高等学校等就学支援金」です。
「無償化=就学支援金のこと」と思っておけば大丈夫ですよ。
2026年4月から、ここが大きく変わりました
この制度は、2025年から2026年にかけて、とても大きく変わりました。
いちばんの変化は、「所得制限がなくなったこと」です。
これまでは「年収がいくら以上の家庭は対象外」という線引きがありました。
2026年4月からは、その線引きがなくなります。
つまり、収入が多いご家庭も、これからは授業料の支援を受けられるようになるのです。
もらえる金額は、公立か私立か、そして年度によって変わります。
下の早見表で、今の支給額をまとめて確認してみましょう。
| 区分 | 1年あたりの支給の上限 | ポイント |
|---|---|---|
| 公立高校(全日制) | 11万8,800円 | 多くの場合、授業料はほぼまかなえます |
| 私立高校(全日制) ※2026年4月〜 |
45万7,200円 | 所得制限なしで上限まで拡充 |
| 私立高校(2025年度) | 基準額11万8,800円 +加算(最大39万6,000円) |
加算は年収約590万円未満の世帯が対象 |
| 定時制・通信制など | 学校の種類で変わる | 通う学校に必ず確認を |
表の金額は「1年あたりの上限」です。
実際の授業料がこの金額より安ければ、その授業料の分だけが支援されます。
金額や条件は、年度や制度の見直しで変わることがあります。
最新の正しい金額は、お住まいの都道府県や、通う予定の学校で必ず確認してくださいね。
たとえば、こんなふうに負担が軽くなります
数字だけだとイメージがわきにくいですよね。
身近な例で考えてみましょう。
公立高校の場合、授業料はおおむね年11万8,800円ほどです。
この金額が支援金でほぼまかなわれるため、授業料の負担は実質ゼロに近くなります。
私立高校の場合、授業料が年40万円ほどかかることも珍しくありません。
これまでは、収入によっては全額を家庭で払う必要がありました。
2026年4月からは、私立でも上限45万7,200円まで支援が広がります。
つまり、多くの私立高校で授業料の負担が大きく軽くなるのです。
「私立は高いからあきらめよう」と思っていたご家庭にとっては、進路の選択肢が広がる大きな変化と言えます。
「知らなかった」で、数十万円を損していませんか

ここで、いちばんお伝えしたいことがあります。
この就学支援金は、自分で申請しないと、1円ももらえません。
「対象だから自動でやってくれる」ものではないのです。
私立高校の場合、申請を忘れると年間で数十万円もの支援を取り逃すことになります。
3年間だと、100万円を超えることもあります。
人は「もらえるはずのお金を逃す」ことに、とても大きなショックを感じます。
この「損したくない」という気持ちは、心理学では損失回避(そんしつかいひ)と呼ばれています(プロスペクト理論という考え方です)。
つまり、同じ金額でも「もらう喜び」より「失うショック」のほうを、人は強く感じるということ。
だからこそ、「知らなかった」で損をしないように、申請の流れをここでしっかりつかんでおきましょう。
むずかしそうに見えても、順番どおりにやれば大丈夫です。
申請の前に用意するもの(チェックリスト)

申請をスムーズに進めるために、先に準備しておくものを確認しましょう。
そろえておくと、当日あわてずにすみますよ。
- 学校からもらう「ログインID通知書」(申請サイトに入るための大事な紙です)
- 保護者のマイナンバーが分かるもの(マイナンバーカード、または通知カードやマイナンバー入りの住民票)
- スマートフォン、またはパソコン(オンラインで申請します)
- 保護者の情報(氏名・生年月日など)がすぐ分かるメモ
マイナンバーカードがなくても大丈夫です。
番号が分かる書類があれば申請できます。
「ログインID通知書」は、入学の前後に学校から配られることが多いです。
なくさないように、大切に保管しておいてくださいね。
申請の流れ 5ステップ

申請は、国のオンラインシステム「e-Shien(イーシエン)」で行うのが基本です。
下の早見表で、全体の流れをつかんでから読み進めると分かりやすいですよ。
| ステップ | やること | 時期の目安 |
|---|---|---|
| ① ログインID受け取り | 学校から「ログインID通知書」をもらう | 入学前後 |
| ② サイトにログイン | e-Shienにアクセスしてログイン | 入学直後(4月) |
| ③ 情報を入力 | 保護者の情報・マイナンバーを入力 | 学校が定める期日まで |
| ④ 収入の届出 | 案内が来たら収入状況を届け出る | おもに7月ごろ |
| ⑤ 毎年の継続手続き | 2・3年生でも年1回、届出を出す | 毎年7月ごろ |
ステップ① 学校から「ログインID通知書」を受け取る
まずは、学校から配られる「ログインID通知書」を受け取ります。
これがないと申請サイトに入れません。
入学の説明会や、入学直後に配られることが多いです。
ステップ② 申請サイト「e-Shien」にログインする
次に、パソコンやスマホから、国のサイト「e-Shien」にアクセスします。
通知書に書かれたIDとパスワードを使ってログインします。
操作に迷ったら、画面のチャットボット(自動で答えてくれる案内)に質問することもできますよ。
ステップ③ 保護者の情報とマイナンバーを入力する
画面の案内にそって、保護者の氏名や生年月日、マイナンバーを入力します。
入力する内容は、画面に一つずつ出てくるので、順番に埋めていけば大丈夫です。
提出には、学校が決めた期日があります。
この期日をすぎると手続きがおくれてしまうので、早めに終わらせましょう。
ステップ④ 案内が来たら「収入の届出」を出す
審査のために、収入の状況を届け出る必要がある場合があります。
その場合は、学校からお知らせが配られます。
おもに7月ごろに、この手続きの案内が来ることが多いです。
お知らせが来たら、提出期限までに必要な書類を出しましょう。
ステップ⑤ 毎年の「継続手続き」を忘れない
この支援金は、一度申請すれば3年間ずっと自動で続く、というものではありません。
2年生・3年生になっても、毎年1回、継続の手続きが必要です。
すでに認定を受けている場合は、「保護者等情報変更届出」という形で毎年確認します。
毎年7月ごろに案内が来るので、忘れずに手続きしてくださいね。
よくある勘違い・やってはいけない3つのNG

ここで、多くの家庭がやりがちな「もったいない失敗」を3つ紹介します。
NG① 「対象だから自動でもらえる」と思い込む
いちばん多い勘違いです。
くり返しになりますが、この支援金は自分で申請しないともらえません。
「案内が来ていない=対象外」ではないので、まずは学校に確認しましょう。
NG② 提出期限をすぎてしまう
申請には、学校が決めた期日があります。
「あとでやろう」と後回しにして、期限をすぎてしまうケースが本当に多いです。
紙をもらったら、その日のうちに手をつけるのがいちばん安全ですよ。
NG③ 2年目以降の継続手続きを忘れる
1年生のときに申請して安心してしまい、2年生の手続きを忘れる方がいます。
毎年7月ごろに手続きが必要だと、カレンダーにメモしておきましょう。
「毎年やるもの」と覚えておけば、うっかり忘れを防げます。
損をしないための5つのコツ
ここからは、支援金をしっかり受け取るための具体的なコツを5つお伝えします。
コツ① 「ログインID通知書」は専用の場所に保管する
この紙をなくすと、申請の入口でつまずいてしまいます。
他の学校書類とまとめて、決まったファイルに入れておきましょう。
コツ② もらったその日のうちに申請を始める
「時間があるときにやろう」は、たいてい忘れます。
スマホからなら10〜20分ほどで入力できることが多いです。
思い立ったその場で始めてしまうのがコツです。
コツ③ マイナンバーの書類を先に用意しておく
申請の途中で「マイナンバーが必要」と気づいて手が止まる方が多いです。
マイナンバーカードや通知カードを、先に手元に置いておきましょう。
コツ④ 分からないところは学校の事務室に聞く
制度の細かい部分は、通う学校によってちがうことがあります。
迷ったら、遠慮なく学校の事務室に聞くのがいちばん確実です。
「みんなが通る手続き」なので、恥ずかしがる必要はまったくありませんよ。
コツ⑤ 授業料以外の費用は「別の制度」も調べる
就学支援金がカバーするのは、あくまで「授業料」です。
教科書代や修学旅行費などは、別の制度でサポートされる場合があります。
詳しくは、このあとのFAQで紹介しますね。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 年収が高くても、本当に対象になりますか?
はい。
2026年4月からは所得制限がなくなり、収入に関係なく対象になります。
ただし制度は見直されることがあるので、最新の内容は学校や都道府県で確認してください。
Q2. お金は家庭の口座に振り込まれますか?
いいえ。
基本的に、国から学校へ直接支払われ、授業料に充てられます。
そのため「授業料が安くなる(またはゼロになる)」という形で受け取ることになります。
Q3. 私立高校でも対象になりますか?
はい、私立高校も対象です。
2026年4月からは、私立高校でも所得制限なしで上限まで支援が広がりました。
公立より授業料が高い私立ほど、支援のありがたみが大きくなります。
Q4. いつ申請すればいいですか?
基本は、高校に入学した直後の4月に申請します。
学校が決めた期日までに、e-Shienで手続きを終わらせましょう。
その後も、毎年7月ごろに継続の手続きが必要です。
Q5. 授業料以外の費用(教科書代など)も助けてもらえますか?
就学支援金がカバーするのは、授業料だけです。
教科書代や学用品費などは、住民税が非課税の世帯などを対象にした「高校生等奨学給付金」という別の制度があります。
該当しそうな場合は、学校や都道府県に問い合わせてみてください。
Q6. ひとり親の家庭でも、手続きは同じですか?
はい、申請の流れは基本的に同じです。
ひとり親のご家庭は、あわせて児童扶養手当など、ほかの支援も受けられる場合があります。
使える制度は、まとめて確認しておくと安心ですよ。
Q7. 途中で家庭の収入が変わったら、どうなりますか?
収入の状況は、毎年の届出で確認されます。
収入が変わった場合は、翌年の審査に反映されます。
気になることがあれば、学校の事務室に相談してみましょう。
🌱 この記事のまとめ
・高等学校等就学支援金は、高校の授業料を国が助けてくれる制度です。
・2026年4月から所得制限がなくなり、多くの家庭が対象になりました。
・でも、自分で申請しないと1円ももらえません。
・申請は入学直後の4月に、オンライン(e-Shien)で行います。
・毎年7月ごろの継続手続きも忘れずに。
おわりに
教育費は、子育ての中でも大きな心配ごとのひとつですよね。
でも、高等学校等就学支援金を上手に使えば、その負担はぐっと軽くなります。
大切なのは、たったひとつ。
「知って、申請する」ことです。
「うちは対象かな」と思ったら、まずは学校の事務室に一言たずねてみてください。
その一歩が、数十万円の安心につながります。
この記事が、あなたのご家庭の教育費の不安を、少しでも軽くできたらうれしいです。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとにしています。金額や条件は変わることがあるため、実際の手続きの際は、お住まいの都道府県・通う学校・文部科学省の最新情報を必ずご確認ください。
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