「子どもが失敗するのを見るのがつらい」「つい手を出してしまう」「落ちこむ姿を見たくない」。
そんな気持ちから、親が先回りして失敗を防いであげたくなりますよね。
でも、じつは防げば防ぐほど、子どもの「心の自立」は遠ざかってしまいます。
この記事は、子どもの自立を育てたいママ・パパに向けて書きました。
「失敗する権利」を守る5つのステップ、やりがちな3つのNG、年齢別の関わり方早見表、よくある質問7つまで、やさしくまとめています。
時間の自立は子の朝支度時短5ステップ、お金の自立は子のお小遣い・金銭教育5ステップとあわせて読むと、時間・お金・心の3つの面から立体的に育てられますよ。
子の自立を『時間・お金・心』の3つの面から育てる3部作
- 【時間編】子の朝支度時短5ステップ|時間の見える化と段取り力
- 【お金編】子のお小遣い・金銭教育5ステップ|お金の感覚を育てる
- 【心編】本記事:失敗する権利を守る5ステップ|心の自立を育てる
『失敗させない育児』が、かえって自立を遠ざける理由
親が先回りして失敗を防ぐと、子どもはどう感じるでしょうか。
じつは「自分は失敗から立ち直れない」と、心のどこかで思いこんでしまいます。
がんばってもムダだと感じて、やる気をなくしてしまう状態です。
反対に、失敗して気づいて、やり直してまた挑戦する。
この流れを何度も体験した子は、「失敗してもまた立ち上がれる」という前向きな心を持てます。
これが、心の自立の根っこになります。
心理学では、こうした前向きな心の育ち方が研究されています(セリグマンという研究者の考え方です)。
失敗を一度も経験しない子は、はじめてのつまずきで大きく崩れてしまいます。
だから、子どもの失敗を見守る勇気が、長い目で見ると子どもを守ることになるんです。
くわしくはヘルプよりサポート5術と自分を責めずに成長する親も参考にしてみてください。
この記事の核心:「失敗させない育児」は、子どもの「立ち直る力」を奪ってしまう逆効果になりがちです。失敗→気づき→やり直し→再挑戦をくり返すほど、子どもは「失敗してもまた立ち上がれる」という前向きな心を育てていきます。
親がやりがちな3つのNG
NG1. 先回りして、失敗をぜんぶ防いでしまう
「こぼすから手伝う」「まちがえるから先に教える」「失敗するから止める」。
よかれと思って先回りすると、子どもは「挑戦は危ないこと」と感じてしまいます。
「挑戦して失敗する自由」を奪ってしまうのが、いちばんもったいない関わり方です。
くわしくはしつけの本質は自立支援も参考にしてみてください。
NG2. 失敗を責める・笑う・あとで蒸し返す
「だから言ったでしょ!」「ほら、失敗した!」と責めると、どうなるでしょうか。
子どもは「失敗は恥ずかしいこと」と感じてしまいます。
すると、失敗をかくす・うそをつく・挑戦しない、という悪い流れに入ってしまいます。
失敗そのものは責めず、「次はどうする?」に目を向けるのが正解です。
くわしくは感情に流されない叱り方と信頼ベースのしつけも参考にしてみてください。
NG3. 親が代わりに、後始末をしてしまう
子どもが失敗したとき、「私が代わりに片づける」と引き受けていませんか。
それが続くと、子どもは「失敗してもパパ・ママがどうにかしてくれる」と覚えてしまいます。
じつは、失敗の後始末を自分でやる経験こそが、自立の土台になります。
後始末は、できるだけ子ども自身に任せてあげましょう。
くわしくは子の片付け力も参考にしてみてください。
子どもの『失敗する権利』を守る5つのステップ
1. 安全な範囲での失敗は、わざと許してあげる
命や健康に関わらないことなら、「失敗してOK」のスタンスでいましょう。
コップを倒す、着替えに時間がかかる、工作でうまくいかない、お友だちとケンカする。
これらは、すべて学びのチャンスです。
安全な範囲での失敗が、いざというときの判断力を育ててくれます。
くわしくは失敗から学ぶ時間感覚も参考にしてみてください。
2. 失敗を、一緒に言葉にしてみる
失敗のあとに、3つのことを聞いてみましょう。
「何があった?」「どう感じた?」「次はどうしたい?」です。
言葉にするだけで、失敗が「学び」に変わっていきます。
落ちこみが強いときは、「自分だけのせい?」「ずっと続く?」「ぜんぶダメ?」と問い直してあげてください。
「そうじゃない部分」を一緒に見つけると、気持ちが軽くなります。
くわしくは親が聞くから始まると成長型マインドセットも参考にしてみてください。
3. 結果ではなく、挑戦したことをほめる
結果が失敗でも、挑戦した事実はしっかり認めてあげましょう。
「挑戦できたね」「工夫してたね」「最後までがんばったね」と、具体的にほめます。
「失敗しても親は自分を見捨てない」という体験が、前向きな心の土台になります。
くわしくは過程褒めの5コツも参考にしてみてください。
4. 後始末は、子ども自身に任せる
こぼした水は、子どもに拭いてもらいましょう。
忘れ物の連絡も、できるなら子ども自身にさせます。
失敗の後始末を「自分の役目」として体験させてあげてください。
やり方がわからないときだけ、そっと手伝うのがコツです。
くわしくはヘルプよりサポート5術も参考にしてみてください。
5. 親自身の失敗も、話して見せる
「パパもこの間こんな失敗をして、こうやって乗りこえたよ」。
そんなふうに、自分の失敗談を話してあげましょう。
「大人も失敗する」「失敗しても大丈夫」を、体で見せてあげるのです。
子どもは、完ぺきな親ではなく「成長していく親」を手本にして育ちます。
くわしくは自分を責めずに成長する親とI(アイ)メッセージの実践も参考にしてみてください。
年齢別『失敗体験への関わり方』早見表
| 年齢 | 許容する失敗例 | 親の関わり方 |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | 食べこぼす・転ぶ・物を落とす | 命の危険のみ守る・他は『大丈夫だよ』で見守る |
| 3〜5歳 | 着替えで時間かかる・工作失敗・友達と小さな喧嘩 | 『次どうする?』と聞く・代わりにやらない |
| 6〜9歳 | 忘れ物・宿題遅れ・お小遣いの無駄遣い | 『今回どうする?どこから?』と聞く・自分で対処させる |
| 10〜12歳 | テスト悪い点・部活ミス・友達トラブル | 『辛かったね』と共感→『次にどう活かす?』と振り返り |
| 13歳〜 | 恋愛失敗・進路選択ミス・お金トラブル等 | 『聞く姿勢』を保つ・求められた時だけアドバイス |
よくある質問
Q1. 命に関わる失敗まで、許すべきですか?
いいえ、それは絶対にNGです。
「安全・健康・人を傷つけること」の3つは、ゆずらないのがしつけの基本です。
道路に飛び出す、刃物をふり回すなどは、すぐに止めてください。
失敗から学ぶのは、あくまで「命に関わらないこと」に限りましょう。
くわしくはしつけの本質も参考にしてみてください。
Q2. 子どもが落ちこみすぎるときは?
落ちこみが続くときは、3つの問いかけが役に立ちます。
「自分だけのせい?」「ずっと続く?」「ほかのこともぜんぶダメ?」です。
「そうじゃない部分」を一緒にさがしてあげてください。
くわしくは応答性で情緒の土台を育てるも参考にしてみてください。
Q3. 失敗をこわがって、挑戦しない子は?
「失敗は恥ずかしい」という気持ちが強くなっているのかもしれません。
そんなときは、小さな成功体験を積ませてあげましょう。
かんたんな課題から始めて、少しずつむずかしくしていきます。
そこに過程をほめる言葉を重ねると、「挑戦してもいい」の感覚がもどってきます。
くわしくは過程褒めの5コツも参考にしてみてください。
Q4. 周りから『甘やかしすぎ』と言われます
「失敗を見守る」ことと「甘やかし」は、まったく別のものです。
失敗を見守るのは自立の応援、失敗を代わりに片づけるのが甘やかしです。
「子どもに責任を渡すために見守っている」と考えれば、自信を持てますよ。
くわしくは他の子との比較から自分軸へも参考にしてみてください。
Q5. きょうだいで、態度を変えてもいい?
気質や年齢、育ちの段階によって、関わり方がちがうのは当然です。
繊細な子には共感を多めに、楽観的な子には対処をうながす形が合います。
くわしくは気質タイプ別の接し方も参考にしてみてください。
Q6. 親の私自身が、失敗をこわがる性格です
そんなときは、小さな自分の失敗を一緒に乗りこえるところから始めましょう。
「パパも料理を失敗したけど、次は◯◯を試してみるね」。
これを日常でさらっと見せるだけで、子どもに「失敗してもいい」が伝わります。
くわしくはマインドフルな子育てと成長型マインドセットも参考にしてみてください。
Q7. 思春期の失敗には、どう関わればいい?
思春期の失敗は、「聞く姿勢」を保つだけで十分です。
「つらかったね」と共感して、求められたときだけアドバイスします。
勝手に口を出すと、かえって関係がこじれてしまいます。
くわしくは初めての思春期と親世代との距離感も参考にしてみてください。
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・こども知育時計(自分で時間を読む)
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まとめ:今日から始める1つだけ
まず避けたい3つのNG
- 先回りして失敗を防いでしまう(挑戦の機会を奪う)
- 失敗を責める・笑う・蒸し返す
- 親が代わりに後始末をする(成長の機会を奪う)
失敗する権利を守る5つのステップ
- 安全な範囲での失敗は、わざと許す
- 失敗を、一緒に言葉にする
- 結果ではなく、挑戦したことをほめる
- 後始末は、子ども自身に任せる
- 親自身の失敗も、話して見せる
今日からまず1つ:子どもの失敗を見た瞬間、代わりに動く前に「次はどうする?」と聞いてみてください。この一言だけで、子どもの頭が「失敗→学び」へと切りかわり始めますよ。
子どもの心の自立は、「失敗させない育児」ではなく「失敗する権利を守る育児」から育ちます。
安全な範囲で許して、言葉にして、挑戦をほめて、後始末を任せて、親の失敗も見せる。
この5つを続ければ、子どもの立ち直る力と前向きな心が、しっかり育っていきます。
時間の自立は子の朝支度時短5ステップ、お金の自立は子のお小遣い・金銭教育5ステップとあわせて、時間・お金・心の3つの面から育てていってくださいね。
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